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【解説】米レビューサイト「Rotten Tomatoes」、観客スコア投稿をチケット購入者に限定へ ─ 約7割の劇場窓口購入者はどうなるか

https://editorial.rottentomatoes.com/article/introducing-verified-audience-score/

ネット上のレビューが商品や店舗の売れ行きを大きく左右する時代だ。映画も例外ではない。

問題は、全てのネットレビューが常に信頼性を保っているわけではないということだ。米映画レビューサイト最大手のRotten Tomatoesはこの問題に頭を悩まされてきた。批評家や観客のスコア付によって成り立つ同サイトのレビューシステムは長年、映画の評判を可視化するツールとして各所で重宝されている。ここ日本でも、作品宣伝の際に「辛口批評サイトRotten Tomatoesで◯%の高評価!」というような触れ込みを目にしたことがあるだろう。


最近になって、このサイトの信頼度が揺らぐ出来事が発生していた。中でも深刻だったのが、マーベル映画『キャプテン・マーベル』に対する荒らし攻撃だ。Rotten Tomatoesには以前、劇場公開前に作品の期待度を数値化する、観客の「観たい(WANT TO SEE)」スコアが存在した。ところが『キャプテン・マーベル』のアンチ一派が、公開前からこのスコアを不正に下げるために悪質な”荒らし投票”を行ったのだ。

これを受けて同サイトは、暫定対策として「観たい」表示をスコア(パーセンテージ)ではなくユーザー数で表示する方針に切り替えている。また、劇場公開前のコメント受付も終了させた。

荒らし攻防戦、解説はこちら

レビュー投稿をチケット購入者に限定へ

この度、同サイトは観客スコアの信頼性を高めるアップデートを新たに実装作品へのレビュー投稿を、劇場チケットを購入した観客、つまり実際に映画を鑑賞したであろう観客に限定したのだ。同サイトでは、鑑賞者によるこの投稿を「認定(Verified)」と名付け、スコアが信頼に値するものであることを強調している。これは「観客の感情を測定する上で、現時点でご提供できる最も信頼的な方法」であると、同サイトは説明する。「ファンがエンターテインメント上の決断を行う時、出来うる限り最も有効なツールのご提供です。」

このシステムを実装するにあたって、同サイトは各劇場チケット販売サイトと連携を取る必要があった。2019年2月の『キャプテン・マーベル』騒動から今日まで時間がかかったのはこのためであろう。現時点ではFandango、AMC Theaters、Regal Cinemas、Cinemarkといったチケット販売大手と提携しており、その他とも順次展開予定だという。

なお、同サイトとFandangoが米Deadlineへ伝えたところによると、この新システムを過去の作品に遡って適用する予定はないという。それではこれまでのオーディエン・スコアに信頼性の疑問が残ると言えそうだが、新システム以前と比べてもスコアに大きな隔たりはないだろう、と説明している。

それにしても、作品のレビューをチケット購入者=鑑賞者に限定したのは、本来あるべき形式がようやく実現したような印象だ。例えばAmazonのレビューは、実際に商品を購入しなくても投稿できる。これは、そのプラットフォーム以外で購入したユーザーからの投稿も受け付けられる利点がある反面、不正な投稿が混入する欠点も目立つ。

Rotten Tomatoesに関して言えば、今後のレビューはオンラインでチケットを購入した観客に限定され、例えば劇場の窓口で購入した観客は投稿できなくなる。一見、レビュー投稿者の母数が少なくなりそうだが、どうなのか。調査によると、米国で映画チケットをオンラインで購入する比率は年々高まっており、2018年は前年比で18.7%増加、劇場窓口での購入は5.4%減少したという。ただし、劇場窓口の占める割合は75.1%と依然高い。今後、Rotten Tomatoesのオーディエンスによる投稿数にどのような変化が生じるか、注目しておきたい。

Source:Rotten Tomatoes,Deadline,webedia

Writer

中谷 直登
中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER編集長。ライター、メディアの運営や映画などのプロモーション企画を行っています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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