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【レビュー】「マーベル ランナウェイズ」シーズン1は、ヒーロー版『ブレックファスト・クラブ』?ヴィランを親に持つティーンの青春モノ

マーベル ランナウェイズ
©2017 MARVEL

マーベル ランナウェイズ」シーズン1の配信が、2018年4月18日(水)よりHuluプレミアにて配信がスタートされている。

マーベルの人気コミックを実写ドラマ化した「マーベル ランナウェイズ」は、スーパーヴィランを親に持つティーンエイジャー6人を主人公に据えた物語。彼らはある事件をきっかけに、自分たちの親が所属するチャリティ団体「プライド」が、実は悪の組織であったことに気づく。時に悩み葛藤しながらも、親たちの野望を止めるべく立ち向かっていく……というストーリーだ。

マーベル ランナウェイズ
©2017 MARVEL & ABC Signature Studios
今作には『アベンジャーズ』『X-MEN』シリーズを思わせるような特殊能力描写、そしてキャラクターが各々の能力を生かして力を合わせ戦うといった、ヒーローものらしいワクワクするようなシーンももちろんある。しかし今作はティーンドラマの傑作「The O.C.」(2003-2007)「ゴシップガール」(2007-2012)を生み出したジョシュ・シュワルツとステファニー・サヴェージが製作を手掛けていることもあり、青春群像劇の要素が色濃く出ているのだ。特に第1話「再集結」は思春期特有の葛藤や苦悩が瑞々しく描き出されたエピソードとなっており、特殊能力の描写はほぼない。この記事では主に第1話の内容に触れながら、その見どころを紹介させていただきたい。

注意この記事にはネタバレはございませんが、ドラマ「マーベル ランナウェイズ」シーズン1(主に第1話「再集結」)の内容に触れています。

ほろ苦い青春とスクールカースト

本作の主人公は、ゲーム好きのアレックス、ラクロス部所属で機械工学にも詳しいチェイス、心の傷をメイクで隠す少女ニコ、新興宗教教祖の娘カロリーナ、フェミニストのガート、ガートの義理の妹モリー。親たちがよく集まっていたことから幼い頃は仲が良かったものの、2年前に起きたある事件をきっかけに疎遠になってしまっていた…という設定だ。

6人は現代ならではの悩みを抱えている。例えば主要メンバーの一人で新興宗教教祖の娘であるカロリーナは、自撮り写真に「#BRAINWASHED(洗脳されてまーす)」とハッシュタグを付けられた画像が拡散されてしまう。フェミニズム活動のクラブを作ろうとしているガートは、その熱意が過ぎる故に周囲にバカにされ、すれ違いざまに「Hey, loser(よう、負け犬)」と陰口を叩かれる。

マーベル ランナウェイズ
©2017 MARVEL & ABC Signature Studios
また彼らは学内ヒエラルキー、いわゆる「スクールカースト」における階級がそれぞれ異なる。例えばスポーツマンでイケメンのチェイスはスクールカースト上位、オタクのアレックスは下位だ。そのため彼らが普段言葉を交わすことはないし、ちょっと話したかと思えばお互いに反発し合う。チェイスは当初、カースト下位のアレックスと話をすることすら嫌がる。ガートが「宗教団体は女性を馬鹿にしてる」とカロリーナを批判すれば、売り言葉に買い言葉で口喧嘩が始まる。アレックスとニコは険悪な関係ではないが、会話がぎこちない。「マーベル ランナウェイズ」の第1話「再集結」には、青春映画の金字塔『ブレックファスト・クラブ』(1985)や「Glee」(2009-2015)でも描かれていたような「階級が異なる者同士の衝突」が丁寧に映し出されている。

マーベル ランナウェイズ
©2017 MARVEL & ABC Signature Studios

再び友情が築かれるまで

そんな6人の親は、恵まれない子供たちに学園を設立するチャリティ団体「プライド」の会合と称し、年に1回アレックスの家に集まっては怪しい儀式を行っている。

この時点では「プライド」が悪の組織であるとは知らないアレックスは、会合が開かれる夜に6人で集まろうと呼びかけるものの、もちろん最初は上手くいかない。しかしアレックスがかつて仲が良かった頃の集合写真を皆に送ったこと、そして彼らがそれぞれ異なる理由で傷を負ったことをきっかけに、最後には全員が揃うのだ。ここまでの経緯がじっくりと描かれているため、いざ6人が集結するシーンでは胸が熱くなること請け合いである。

Writer

まだい
まだいEriko

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