ラッセル・クロウが『グラディエーターII』批判、「作り手さえ前作を理解していなかった」

歴史スペクタクルの傑作『グラディエーター』(2000)で主人公マキシマスを演じたラッセル・クロウが、続編『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』(2024)に大きな不満を抱いていることを明かした。オーストラリアのラジオ局triple jのInstagramにて公開された映像では、率直な思いが語られている。
この記事には、映画『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』のネタバレが含まれています。
前作から24年ぶりの続編となった『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』では、主人公がクロウ演じるマキシマスから、ルッシラ(コニー・ニールセン)の息子で、皇帝コモドゥス(ホアキン・フェニックス)の甥にあたるルキウス(ポール・メスカル)にバトンタッチ。奴隷となっていたルキウスは、将軍アカシウス(ペドロ・パスカル)やローマ人への復讐を誓っていた……。

このたびクロウは本作に言及し、「(クリエイティブの)中心にいる人たちでさえ、前作の何が特別だったのかを理解していなかった」一例として語った。「それは華やかさでも、当時の状況でも、アクションでもなく、道徳的な核心だったのだ」と。
クロウが問題視するのは、新たな主人公であるルキウスが、ルッシラと亡きマキシマスの息子だったという事実が明らかになることだ。前作でマキシマスを演じたクロウは、当時の自分たちが大切にしていた“道徳的な核心”が失われたことを指摘している。
「(前作の)撮影現場では毎日のように争いがありました。役の道徳的な核心を守るための戦いです。マキシマスのセックスシーンなどが提案されたことが何度あったか──それは彼から力を奪っているかのようでした。(ルキウスがマキシマスとルッシラの息子だということは)つまり、彼は妻との関係がありながら、別の女性とも寝ていたということなのか? 意味がわからない、冗談じゃない。」
どうやらクロウは、ルキウスがマキシマスの息子という設定を早くから知っていたようだ。公開前の2024年6月から、「あまり気分はよくない」「いくつか聞いた話については、“キャラクターの道徳に反しているでしょう”と思った」と話していたのだ。当時は「私はもう死んでいる立場で、言えることはない。どんなものになっているかを見るだけ」だと述べていたが、続編も公開から1年が経過し、そろそろ本音を語ることにしたようだ。
ちなみに2023年4月には、『グラディエーター』の続編が製作されることについて「ちょっぴり嫉妬している」とも口にしていたクロウ。「当時はまだ若く、人生における大きな経験でした。私の人生を大きく変えました」と。それゆえ、やはり続編については思うところが少なくなかったようだ。
今回、クロウは『グラディエーターII』の公開後、前作のファンから不満の声が寄せられたというエピソードも明かした。「映画が公開されてすぐ、ヨーロッパのレストランで女性たちに文句を言われました。“違う、私は何もやってない!”と思いました」と笑いながら回想している。
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Source: triple j, The Hollywood Reporter



























