アレック・ボールドウィン主演映画の銃誤射事故、発生時の状況が判明 ─ 直前にスタッフ7名離脱のトラブル、数日前には別の誤射事故も

また別の取材によると、今回の事故が起こる数日前にも、撮影セットにて銃の誤射事故が起きていたことも発覚している。10月16日、ボールドウィン氏のスタントダブルを務める男性が、やはり空砲として渡された銃を発砲したところ、実際には銃弾が入っていたという事故が発生。幸いにも怪我人などは出なかったが、複数のスタッフがこれを目撃していたにもかかわらず、原因の究明などは行われなかったという。
この問題について、製作チームは「銃や小道具の安全面を懸念する正式な申し立てはまったく認識しておりませんでしたが、製作を中断している間に、内部手続きに関する調査を実施いたします」とのコメントを発表。各機関による捜査に協力するとともに、キャストやスタッフの精神面をケアする取り組みを行っていくとも記した。
アレック・ボールドウィンの声明
『ラスト』の主演・製作を務め、誤射の張本人となってしまったアレック・ボールドウィン氏は、事故を受けての声明をTwitterにて発表している。
「妻であり、母親であり、心から敬服する同僚であるハリーナ・ハッチンスの命を奪った悲劇的な事故について、自分の動揺と悲しみをお伝えする言葉が見つかりません。この悲劇がいかにして起きたのか、警察の捜査に全面的に協力いたします。彼女の夫に連絡を取り、彼とご家族への支援を申し出ております。ハリーナの夫、息子、そして彼女を知り、彼女を愛するすべての方々を思い、私自身も失意のさなかにあります。」
1-
There are no words to convey my shock and sadness regarding the tragic accident that took the life of Halyna Hutchins, a wife, mother and deeply admired colleague of ours. I’m fully cooperating with the police investigation to address how this tragedy occurred and
— AlecBaldwin(HABF) (@AlecBaldwin) October 22, 2021
2- I am in touch with her husband, offering my support to him and his family. My heart is broken for her husband, their son, and all who knew and loved Halyna.
— AlecBaldwin(HABF) (@AlecBaldwin) October 22, 2021
亡くなったハッチンス氏は、2012年ごろから短編映画の撮影を多数手がけており、2019年に参加した長編ホラー映画『ダーリン』は日本でも2021年に劇場公開された。2019年には注目すべきアメリカ人撮影監督の一人に選ばれ、ジョー・マンガニエロ主演『Archenemy(原題)』でも撮影監督を務めるなど、新鋭フィルムメーカーとして今後が期待されていた。関係者や業界関係者からは、ハッチンス氏の逝去、および今回の事故に関するコメントが相次いで発表されている。
映画『ラスト』はアレック・ボールドウィン&ジェンセン・アクレスらが出演するアクション西部劇映画で、ボールドウィン演じる悪名高きアウトローと、殺人容疑で絞首刑を言い渡された孫の絆を描く物語。ボールドウィンは原案・製作も兼任している。
Source: Deadline(1, 2, 3, 4,), The New York Times, AP, The Los Angeles Times