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真田広之、「日本映画に予算がないのは事実だが、技術あるスタッフもいる」 ─ ハリウッドでようやく「役をオファーでもらえるようになった」と変化語る

映画『ブレット・トレイン』新幹線車内でのレッドカーペット 取材撮影写真
©️ THE RIVER

2003年『ラスト サムライ』に出演、2005年に渡米した日本人俳優・真田広之は、いまやハリウッドのスター俳優に名を連ねる一人だ。『モータルコンバット』(2021)や『ブレット・トレイン』(2022)、そして『ジョン・ウィック:コンセクエンス』(2023)といった話題作に出演し、ハリウッド発の時代劇ドラマ「将軍(原題:Shōgun)」では主演・製作を兼任する。

活動の拠点をアメリカに移してから約20年、ハリウッドにおける真田の環境はどのように変化したのか。また、日米の製作スタイルの違いとは……。

Varietyの取材にて、真田は「以前の自分はワーカホリックだった」と語る。「特に日本にいた頃は、正式なオフの日はまるでなく、ほとんど毎日働いていましたね。僕自身もそうしているのが好きだったから」。しかし渡米後、自身の活動スタイルは変化を余儀なくされることとなった。

「2005年にロサンゼルスに移った頃は、なかなか役をもらえませんでした。だから自由時間も多かったんです。それまでそんなことは一度もなかったんですが、そういう時間が必要だと気づきましたね。アメリカで働くのは、日本にいて、日本語で仕事をするよりもずっと大変。英語のレッスンを始めて、オーディションを受けて、ミーティングもたくさんやって……。集中しなくてはいけなかったし、緊張していました。だから、合間にはリラックスする時間が必要だったんです。」

近年になって「ありがたいことに、ほとんどの役をオファーでもらえるようになった」という真田。しかし、それまでは長らくオーディションを受ける日々が続いていたそう。ようやく良いワークライフバランスを手にした実感があるようで、「最近は脚本を読み、監督と話し合い、同じゴールが見えたら参加しています」と述べている。

「面白い仕事に、穏やかな生活。カリフォルニアは僕にぴったりだと思います。都会だし、最高のレストランもあるし、海や山もある。それに、巨大なエンターテインメント産業がここにはありますから。」

現在の真田は、東洋と西洋のスタイルをより融合したプロジェクトの実現を目指している。自らプロデューサーを務めた「将軍」では、日本から浅野忠信、二階堂ふみ、西岡德馬、洞口依子らを招き、時代劇に精通したスタッフを起用。「(日米の)スタイルは少し違います」といい、自らの理想を語った。

「日本映画に予算がないのは事実で、だからすべてを入念に計画し、スケジュールを組む。それが良いことかどうかはわかりませんが、非常に技術のあるスタッフがいるのは確かです。もっと東洋と西洋(のスタイル)を混ぜ合わせていきたいんです。予算は多く、(人々が)労働組合に守られ、しかしスケジュールに忠実なものに。」

なお次回作として、真田は2023年6~7月から新作映画の撮影に参加する予定。詳細は明らかになっていないが、オーストラリアで6月に撮影が始まる『モータルコンバット』続編ではないかとみられている。

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Source: Variety

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。