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真田広之、渡米約20年で「生まれ変わったような」心境 ─ ハリウッド発の時代劇で主演・プロデューサーを兼任

映画『ブレット・トレイン』京都・舞台挨拶 取材撮影写真
©︎ THE RIVER

『モータルコンバット』(2021)『ブレット・トレイン』(2022)そして『ジョン・ウィック:コンセクエンス』(2023)。ハリウッド発の話題作に出演しつづけている日本人俳優・真田広之が、2005年の渡米から約20年、ついに主演・製作を初めて兼任する。

現在製作中のドラマシリーズ「将軍(原題:Shōgun)」について、真田は「生まれ変わったような気分」だと米Varietyにて語った。

ジェームズ・クラベルの同名小説をドラマ化する本作は、江戸時代の日本を舞台に、漂着した英国人航海士のジョン・ブラックソーンが異文化に触れ、自分自身を発見していく物語。徳川家康をモデルにした将軍・吉井虎長役を演じる真田は、「この作品を現代の観客にどのように届けるのか、いかに当時の文化に忠実なものにするか、ジャスティン・マークス(脚本・製作総指揮)とたくさん話し合った」と語る。

日本を描くハリウッド作品に数多く出演してきた真田は、アメリカの作り手が日本文化を描いてくれることを常に歓迎し、非公式的に作品の監修を担ってきた。「もし文化として間違っていることがあれば、僕が指摘し、修正してきました。監督やプロデューサーはいつも僕の提案を真摯に聞いてくださり、嫌な感じになったことは一度もありません」とは真田自身の談。『MINAMATA─ミナマタ─』(2020)では美術デザインやエキストラの衣裳も監修したため、撮影現場に毎日足を運び、時には監督よりも早く現場入りしていたという。

「正式な肩書きがついたことはありませんでしたが、僕の話を皆さんが聞いてくれた。どの作品でもそういう仕事をしてきました。そして昨年、(『将軍』で)いよいよドラマのプロデューサーという肩書きがついた。[中略]なにかを言える権限が、初めて正式に与えられたんです。」

本作には真田のほか、日本から浅野忠信、二階堂ふみ、アンナ・サワイ、西岡德馬、阿部進之介、洞口依子、平岳大らが出演する。「時代劇の長いキャリアを持つ出演者とスタッフを集めました。衣裳やかつらの専門家、美術のデザイナーといったチームを作ったんです」と語る真田は、「(アメリカに来て)20年が経ち、ようやく肩書きとチームを手に入れることができた。僕にとっては大きな一歩です」と言い切る。

「ハリウッドのテレビ番組で初めてプロデューサーを務め、初めて主役を演じる。生まれ変わったような気分です。俳優やプロデューサー、あるいはその両方でも、こういう機会に今後も恵まれることを願っています。」

シリーズの撮影はすでに終了しており、真田はその様子を「とてもうまくいきました。非常にドラマティックで意義深いものになりました」と振り返った。「本当に大きなチャレンジであることを誰もが理解していましたし、未来を作るため、懸命に仕事をする価値があったと思います。東洋と西洋が障壁なく出会うことができ、最高の気分でした」。

現在、真田は「将軍」のポストプロダクション(撮影後作業)の真っ只中。今後は2023年6~7月ごろに次回作となる新作映画に参加するそうだが、「まだタイトルは言えません」と言う。その作品にはいち俳優として参加することになるようだが、いわく「将来的に、またプロデューサーをする計画もある」とのこと。今後もさらなる活躍から目が離せない。

ドラマ「将軍(原題:Shōgun)」は2023年内に米国放送予定。米FX局による1シーズンかぎりのリミテッド・シリーズと告知されている。

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Source: Variety

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。