【レポート】『ソーセージ・パーティ』女性限定試写会に行ってきた!折角なのでこの映画を真面目に考察してみる【R15】

11月1日、映画『ソーセージ・パーティ』の女性限定試写会に行ってまいりました。ソーセージの日にちなんでいるようです。ちなみに公開日の11月4日は“金”曜日ということで、キャッチコピーの”食われてたま(玉)るか”の(玉)とかけているそうです。わたしがいま考えたネタじゃないです。
上映後にはよしひろまさみち氏とジェンダーフリーで芸能活動も行うぺぇさんがトークする場面も。
このポスターのインパクトは尋常ではない。にょきっとこっちを見てくる……アメリカ本国のポスターには”ソーセージがたちあがる!”と書いてあります。この程度のネタでつっこみ入れていると本編で息切れしてくるのでスルー。
ソーセージ・パーティあらすじ
郊外のスーパーマーケット。食材たちは神であるお客に選ばれ、店の外の世界に出ることを夢見ている。外の世界に広がる楽園に胸をこがし、開店とともに歌うミュージカルシーンでこの映画ははじまる。ソーセージのフランクはパンのブレンダを運命の相手だと思っており、お互い結ばれ(合体)しようと決意。そしてついにふたり(ふたり、?)がショッピングカートにインしベッドイン(この表現も正しいのか)の日がやってきた!しかし思わぬアクシデントに見舞われ、フランクとブレンダは愛し合うチャンスを逃してしまう…さらになぜか逃げ回るはめに?彼らの愛の行方はどうなる?
この先ネタバレ含みますので自己責任でお願いしますね。
【注意】
この記事には、映画『ソーセージ・パーティー』に関するネタバレ内容が含まれています。
タイトルとあらすじだけだと、あたかもソーセージとパンのイチャイチャコメディっぽいんですが、かなりキャラ多いですね。コメディ部分に期待されている方、損はさせないと思います。性的な意味で。Sausage Partyっていったらそれ自体に野郎だらけのパーティみたいな意味ですからね。
監督グレッグ・ディアナン/コンラッド・バーノン。脚本はアメリカで絶大な人気を誇るセス・ローゲンとエイバン・ゴールドバーグ。コロンビア・ピクチャーズ配給。
監督の二人は「機関車トーマス」「シュレック」「マダガスカル3」等手がけたアニメ界ではベテラン。セス・ローゲンといえばもう強烈な皮肉だったり下ネタの印象が強いですね。(北朝鮮を痛烈に描いたかのような作品”インタビュー”とかは記憶に新しいのではないかと…)
声優陣も豪華ですね、セス・ローゲンとニコイチのジェームズ・フランコとか、エドワード・ノートン(”バードマン”)、マイケル・セラ(”スーパーバッド 童貞ウォーズ”)、サルマ・ハエック(”フリーダ”)などなど。マイケル・セラくんが声当ててるキャラはソーセージなんですが、ほかのやつらよりも短小で(でも太さはある♡)童貞ていう設定なんですね、で、セラくんもようやるなと…俳優さんてすごい。セラくん”JUNO”っていうジェイソン・ライトマン監督の映画ではしょっぱなから事を致すような役やってたりするんですけど、かたやこの人の映画ではすっかり童貞キャラです。
この映画、噂どおりの下ネタでした。声出し許可おりていた上映だったので心置きなく楽しめました。また、女性限定試写会だったので気兼ね?しなかったのかなと思うところもあります。この映画、誰かと観に行くならどんなパートナーならアリかなと真剣に考えてみたのですが、基本同性で気心の知れたお仲間をおすすめします。一人ももちろんいいと思います。きついと思うのは付き合いたてに限らずカップル。家族。異性の友人。ちょっとアリかなと思えるのは身体の関係とか浮気相手ですかね……😊💋。参考にどうぞ。
コメディだと思ってるとたまにこういうバイオレンスなシーンぶっこんできますので注意ね。普段食べ物として扱っているときは八つ裂きにしたりとかなんの違和感もないのにアニメにしたとたんバイオレンスになるのは不思議。
ま、終始下ネタで正直食傷気味になるんですけど、食べ物だけに。観終わって「あーおもしろかった!」のあとにじわじわと頭に浮かんでくるものがあったので以下に書き連ねます。
- パロディが多そう
- 個性あるキャラクターたち
- 監督の趣味映画っぽい裏にメッセージはある?
いくよ!
パロディが多そう
まず、①のパロディについてなんですが、この映画の設定自体が食べ物の擬人化ということで。ディズニーなんかが「トイストーリー」とかでよくやる手法ですね。実際トイストーリーに似ていると感じる方も多いようです。ほかに観ていて「あの映画っぽい!」と思ったのは、
- ズートピア
- プライベートライアン 爆笑。
- アントマン
- 博士と彼女のセオリー
- ホーリーマウンテン
たぶん人によって他の作品挙げられると思いますがこれらの映画っぽいな~という要素がありました。ほかの方と意見交換したくなります。この映画、下ネタ100%とみせかけて、裏にイロイロありそうで困る。また観返したくなっちゃった。
個性あるキャラクターたち
主人公カップル以外のキャラにも注目したい。さっきこの映画は「トイストーリー」っぽいって書きましたが、わたしはむしろ「ズートピア」に近いような気もするんですよね、食べ物だからフードピアかな。食べ物たちそれぞれが外の世界を彼らにとっての「理想」だと考えているところとか。キャラたちの出生地がなんとなくわかるところとか。
一番右にいる太眉はベーグルです。声エドワード・ノートン。これはたぶんユダヤ人なんですよね、ベーグル発祥はユダヤ人と関係あるらしい。彼に関してはウディ・アレンを想起させる。
ベーグルの隣の妖艶なタコスちゃんはサルマ・ハエックが声やってます。南米っぽい。スペイン語も話せるよ。性的な文脈で。
で、その左にいるのがガムのホーキング博士。どう見てもこれパロってるんですよ。結構こいつには笑わせられた。
ブレンダちゃんとガムの間にいるのがピタパン。ベーグルとそりが合わなそうなイスラエル人ぽい。
ほらほらなんかズートピアっぽいですよね。
監督の趣味映画っぽい裏にメッセージはある?
※核心にふれるので注意※
もう映画も後半になると頭が若干機能しなくなってきます。ちょっと下ネタに疲れてくる。
でもだんだんと”ソーセージ・パーティ”の真の意味を察知するというか、あまり当たってほしくはない予感を抱いてしまうんです。それはきれいに言うならば包括的な愛というか全宇宙を包み込むような愛というか、ジェンダーフリーな愛ですね。カップルの定義は何も男と女だけではないのです。ただのソーセージとパンのセックスの話ではなかったということです。真面目に文章書いています。とにかくまぁそんな描写があって、そこに至るまでにずいぶんと布石があったなぁと思いました。ジェンダーフリーだろうが下ネタには変わりないですよ。ただそのシーンで、なぜ今回の試写会でゲストがあの二人(よしひろまさみちさん、ぺぇさん)だったのかとても納得でした。※ジェンダーに関することがこの映画のメッセージやテーマだと断言はできません。あしからず。
あとは上で触れていなかったけど、敵キャラにビデ男がでてくるんですね。ビデにピンと来ない方、調べてください。英語だとこのビデ男はDoucheくんていうみたい。ドゥーシュ・バッグにちなんで。女性用品なのに男キャラ?と疑問に思いつつ観ていましたが、例のシーン後だともう性別は大事ではないと感じてしまいました。むしろトランスジェンダー的位置づけなのかもしれない。
タコス子ちゃんを演じたサルマ・ハエックの出世作「フリーダ」の主人公フリーダもフェミニストであったり、タコス子ちゃん自体ビアンっ気のあるキャラだったり、ジェンダーについて考えることが多くてなんだか配役の妙とか深読みしてしまいます。タコスのタコは女性器を意味することもあるのだとか。
ベーグル男も実は性的にストレートではなかったりするのですが、確かにベーグルの形状って穴が空いていて……
あっこの映画では人間たちは基本神か悪魔かのどちらかでしかみなされていません。極端……
いや~セス・ローゲンの真意はわかりませんが、薄っぺらいただのコメディではなさそうです。
以上です!
音楽はディズニー作品を手掛けるアラン・メンケンがやっていたりととにかくアニメにしては制作陣(無駄に)豪華です!一緒に鑑賞した方々のリアクションも上々でした。よしひろまさみち氏も言っていましたが、彼の下ネタに一度でも引いてしまうと89分間ドン引きし続けることになると思うので、観に行かれる方は覚悟して!楽しんできてくださいね。