スコセッシがデル・トロ『フランケンシュタイン』を絶賛、「これは壮大なオペラだ」

ギレルモ・デル・トロ監督によるNetflix作品『フランケンシュタイン』は観客や批評家だけでなく、巨匠からも確かな評価を獲得しているようだ。『タクシー・ドライバー』や『ウルフ・オブ・ウォールストリート』のマーティン・スコセッシ監督が賞賛の言葉を送っている。
ゴシック小説の元祖を基とする映画『フランケンシュタイン』はデル・トロが50年間にわたり思い描き、人生を捧げたとも公言する渾身の一作。圧巻のスケールと、オスカー・アイザック、ジェイコブ・エロルディら俳優の名演技で、アカデミー賞作品賞ノミネートも有力視されている。
デル・トロ、アイザック、エロルディ、そしてプロダクション・デザイナーのタマラ・デヴェレルと衣装デザイナーのケイト・ホーリーが登壇したNetflixによるディスカッションイベントにて、司会進行役を務めたスコセッシ。壇上にて、『フランケンシュタイン』を高く評価するように語った。
「この作品は実に力強く心に訴えてきます。特にジェイコブとオスカーの演技は心に響きました」と2人を絶賛し、キャスティングの経緯についてデル・トロに尋ねるスコセッシ。アイザック演じる科学者ヴィクター・フランケンシュタインは当て書きで、怪物役で予定していた別の俳優が降板するハプニングが生じたものの「私も61歳なので動揺しませんでした。映画が語りかけてくれることを知っていたし」とデル・トロが答えると、スコセッシも「結果的には映画が語りかけてくれるからね。焦ることはない」と熟練者らしいユーモアで返す。
スコセッシは、「私にとっては2人のデリケートな関係が興味深かったです。博士と怪物は一人の人物に見えます。この作品は素晴らしい。以前の『フランケンシュタイン』は、こんな風ではなかったですよね」と、これまでに映像化されてきた『フランケンシュタイン』との違いにも言及し、「これは壮大なオペラだ」と評した。
またスコセッシが「あまりこういうことは言いたくないんだけど、私もCGIに頼ることはよくあります。カメラ内でどのように作業したのか少し教えてくれますか?」と興味津々といった様子で深堀りすると、デル・トロも「船は本物ですよ、駐車場に作って氷で覆ったんです。船に関しては一つもCGIやミニチュアを使っていません」と製作の裏側を明かしている。
よくぞ聞いてくれましたと言わんばかりにデル・トロが饒舌になる様子が印象的だが、スコセッシもまた心から映画を愛していることが伝わってくる。
ちなみに、スコセッシが2026年2月から撮影を開始する新作『What Happens at Night(原題)』は、ピーター・キャメロンによる同名の幽霊小説を元とする物語。デル・トロのクリエイティビティに何か刺激を受けただろうか。レオナルド・ディカプリオとの再タッグ、そしてジェニファー・ローレンス共演ということで、こちらも大きな話題を集めることとなりそうだ。
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Source:Still Watching Netflix,TIME
























