スコセッシ新作に『ウルフ・オブ・ウォールストリート』ジョナ・ヒルが主演へ ─ 「グレイトフル・デッド」フロントマンの伝記映画に

『タクシー・ドライバー』(1976)『アイリッシュマン』(2019)などで知られる巨匠マーティン・スコセッシ監督が、ロックバンド「グレイトフル・デッド」のボーカル&ギターを担当したジェリー・ガルシアの伝記映画(タイトル未定)を手掛けることがわかった。主演を、スコセッシの『ウルフ・オブ・ウォールストリート』(2013)で知られるジョナ・ヒルが務める。
本作の主人公ジェリー・ガルシアは、1965年に米西海岸カリフォルニアで結成されたロック・バンド「グレイトフル・デッド」のフロントマンとして知られた人物。歌うジャンルは様々で、カントリーやフォーク、レゲエ、サイケデリックなどを融合したスタイルで絶大な人気を博した。熱狂的なファンは「デッドヘッズ」と呼ばれた。
バンドはメンバーを入れ替えながら1990年代前半まで活動を続けるも、1995年、バンドのリーダー的な存在だったジェリー・ガルシアの急逝をもって解散となった。以降、現在に至るまで、メンバーたちによる再結成コンサートがたびたび行われている。

米Deadlineによれば、スコセッシは監督・製作を兼任する。脚本・製作には、『マン・オン・ザ・ムーン』(1999)や「アメリカン・クライム・ストーリー/O・J・シンプソン事件」(2016)のスコット・アレクサンダーとラリー・カラゼウスキーのコンビが就任した。ほか製作には、主演のジョナ、『ウルフ・オブ・ウォールストリート』のリック・ヨーンが名を連ねている。
製作・配給は、レオナルド・ディカプリオとロバート・デ・ニーロを主演に迎えたスコセッシの最新作『Killers of the Flower Moon(原題)』に続いて、米Appleが担当する。情報筋によるとAppleは、「グレイトフル・デッド」の楽曲使用許可も得ているという。ちなみに、スコセッシは、2017年に公開された「グレイトフル・デッド」のドキュメンタリー映画『グレイトフル・デッドの長く奇妙な旅』(2017)で製作総指揮を務めている。同作の企画発表時、スコセッシは同バンドについて「彼らはバンド以上の存在。彼らだけの惑星があって、そこには熱心なファンが何百万人と住んでいる」と愛を語っていた。
また、ジョナ・ヒルといえば、スコセッシとの初タッグ作『ウルフ・オブ・ウォールストリート』でアカデミー賞助演男優賞にノミネートされた。レオナルド・ディカプリオ演じる主人公との愛憎入り交じる依存関係を演じきったジョナは、同作で俳優としての新境地を確立したと言える。そんな演技派がついに、スコセッシ作品の主演を飾るということで期待が高まるばかりだ。
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