リドリー・スコット「アドバイスなど要らん」自己責任論語る ─ 『エイリアン:ロムルス』に大自信「かなり上手くいくだろう」

リドリー・スコット監督は、自身が生み出した傑作SFシリーズの最新作『エイリアン:ロムルス』で、監督の座を『ドント・ブリーズ』(2016)フェデ・アルバレスに委ねている。2012年の『プロメテウス』、2017年の『エイリアン:コヴェナント』では自らメガホンを取ってシリーズ再起に挑んでいたが、最新作ではプロデューサーに徹しているのだ。
米Los angels Timesでの最新のインタビューでスコット監督は、シリーズ映画制作における独自の哲学を語っている。『エイリアン』シリーズは「起き上がる必要があった」というスコットにとって、後継となったアルバレス監督の到来は「良い知らせ」になったという。
「あらゆるシリーズものの危機とは、誰かが突然マットを拾い上げ、ボールを持ってフィールドを走ることを決意しない限り、死んでしまうということだ」と話すスコット。「フェデはエネルギーが迸っていた。私は後退し、彼に任せることにした」と、新任の才能を称賛している。
映画制作における最難関は脚本執筆にあると認めるスコットだが、「フェデは頭の中にしっかりと青写真を描いている。彼の脚本は実に明快だ」と絶賛。「確かに時間はかかっていた。しかし、脚本というのは時間がかかるものだ」と理解も示した。

アルバレスは困った時にはスコットを頼って指針を示してもらっていたそうだが、スコット自身はアドバイスが嫌いだという。「母親からであろうと、誰からであろうと、アドバイスを寄越してくるやつと仕事をするのは難しい。ある時点で、一番避けたいのはアドバイスだ。私はアドバイスなど要らん」。『グラディエーター』(2000)や『ナポレオン』(2023)などの歴史大作でも知られるスコットはこう語る「もしも自分の剣で倒れ、血を流して横たわっているとしたら、私はこう言う。“自分のせいだ”と」。
スコットは『エイリアン:ロムルス』を鑑賞した後、アルバレスに会うや否や「クソ最高だ」と大絶賛のコメントを残したというが、ともかくアルバレスの才能に惚れ込んでいるようだ。「フェデがもう一度やってくれることを望む。今作はかなり上手くいくと思う。彼には光るものがある」と褒めちぎっているほどである。
創造主リドリー・スコットが紛れもなくお墨付きを与える最新作『エイリアン:ロムルス』は2024年9月6日、日本公開。
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Source:Los angels Times