【NetFlix】民族多様性、LGBT、ド迫力アクション…「いま」を切り取るドラマ『センス8』を推す3つの理由

Netflixオリジナルドラマ『センス8』シーズン2の第一話を観た私は、少し泣いてしまった。その場面は、生年月日を同じくする8人の主人公が誕生日を祝うシーン。カメラが目まぐるしく切り替わり、意識をお互いに共有できる男女が世界各地を行き来しながら踊り、歌う。束の間の幸せとこれから訪れるであろう危機を考えると、思わず胸が熱くなった。

『センス8』は、NetFlix制作のオリジナルドラマである。2015年にシーズン1が公開され、20161223日にシーズン2:第一話が公開。第二話以降は201755日に公開予定となっている。

気になる内容はというと、主人公はシカゴ在住の警察官ウィルを初めとする8人の男女。国籍も性別もバラバラだが、ある日突然思考や感覚を共有してしまう。彼らは「感応者」と呼ばれ、お互いのスキルを活用しながらそれぞれが抱えるピンチを乗り越えていくが、やがて意識を共有できることを知った謎の組織に追われることになる…というストーリーだ。

そんな『センス8』の魅力を3つにまとめてみたのでご紹介したい。なお肝心な部分のネタバレは避けたつもりだが、ある程度ドラマの内容に触れているので未見の方はご注意を。

ワールドワイドなストーリー&キャスト

まず主人公が8人もいて、それぞれが万遍なく活躍するドラマも珍しいが、さらに驚くべきはメンバーがほぼバラバラの国籍だということだ。簡単に紹介すると、

  • ウィル:アメリカ・シカゴの警察官
  • ライリー:アイスランド出身、現在はイギリス・ロンドンのDJ
  • ヴォルフガング:ドイツ・ベルリンの金庫破り
  • カーラ:インド・ムンバイの製薬会社勤務。
  • ノミ:アメリカ・サンフランシスコの天才ハッカー
  • サン:韓国・ソウルの会社副社長兼格闘家
  • カフィアス:ケニア・ナイロビのバス運転手
  • リト:メキシコ・メキシコシティの人気俳優

上記の8人が主人公である。登場人物は全員英語で喋っているので最初は混乱するが、どうやら実際にはそれぞれの言語で喋っており、お互い言葉を理解しているという設定のようだ。

感応者たちの前に現れる謎の女性・エンジェルを演じたダリル・ハンナは「こんなドラマは今までにないと思う。世界規模のスケールで、国際色豊かなキャストで、CGを使わず実際にロケをしてるの」と語る。キャストとクルーは実際にムンバイやベルリンなど世界8か所を巡ったそうで、例えば同じアメリカでもウィルのパートを撮影するためにシカゴへ、ノミのパートを撮影するために実際にサンフランシスコまで飛んだとのことである。このような、普通のドラマでは考えられないスケールのデカさも見所の一つだ。 

日常としてのLGBTと、美しいベッドシーン

主人公のひとり、ノミは男→女に性転換した女性で、アマニタというパートナー(女性)がいる。またメキシコのリトは人気俳優のため世間的にはゲイを隠しているもののこちらもパートナーがおり、毎日ラブラブの日々を送っている。だが彼らがLGBTであるという事実は、謎の組織に追われるという物語の本筋には全くといってよいほど影響しない。ただ、そういった背景を持つ登場人物もいるというだけである。

また『センス8』でのベッドシーンの多くは、まるで歯磨きや食事のように生活の一部に組みこまれているのが特徴だが、時折8人が意識を共有し、全員で体を重ね合うシーンがある。このシーンはセクシーというよりは芸術的で、アート作品のような美しさがある。 

このような独特な演出は、監督であるウォシャウスキー姉妹自身のセクシャリティに起因していると考えられる。『マトリックス』や『クラウド アトラス』などの監督で知られるウォシャウスキー姉妹だが、どちらも元男性で性転換手術を受けている。そんな彼らにとってLGBTは当たり前に存在することだったのだろう。

監督は自らの思いを、劇中でリトのパートナーであるフェルナンドに次のようなセリフで代弁させている。

「偏見を捨ててみれば、この写真(リトとのベッドシーンを盗撮した写真)には悦びに浸っている二人が見えるだろう。感応的で無防備で、カメラを意識していない二人が。その瞬間、二人は愛に没頭している。アートとは愛の表現でもある」

一方この作品では、ノミが性転換手術に反対する母親と対立するシーンや、リトがゲイであることをネタに強請られ苦しむエピソードもある。LGBTが正しく認知されつつある一方、偏見や差別も未だ存在するということが、何気ないシーンからリアルに浮かび上がってくる。

(主にぺ・ドゥナによる)ド迫力アクション&ピンチの切り抜け

何と言っても一番の見所は、8人が交錯し入り乱れてのアクションだろう。例えばシーズン1の第8話で、組織の襲撃を受けたノミが隙を見て脱出するシーン。裏窓から逃走するノミだが、警察に包囲されてしまう。まず同じく警察官のウィルが適切な指示を出す。次にソウルで寝ていたというサンがノミに憑依し、持ち前の格闘術でばったばったと相手をなぎ倒していく。何とか包囲網を突破し車に乗り込んだノミだが、運転ができない。いよいよ窮地に陥ったかというところで、バス運転手のカフィアスが映画のようなカーチェイスを繰り広げ、無事脱出に成功する。緊迫感溢れる一連のシーンは何度見てもワクワクするし、ノミ役のジェイミー・クレイトンもお気に入りだという。

中でもサンのアクションは思わず見惚れてしまうほどの格好よさで、ぺ・ドゥナ自身もNetFlixの日本ローンチイベントにゲストとして登場した際「この作品の撮影のために武術やキックボクシングの練習をしたの。私が男の人15人くらいを次々に倒していくシーンも見所」と発言している。ちなみにサンは裏格闘技の常連ファイターであり格闘の達人という設定なので、劇中何度も彼女のアクションを目にすることができる。

通常ドラマ制作の際、放送前に全体の流れを確認できるのは稀なケースだという。しかし『センス8』は放送前に全12話を一気に試写し、まるで12時間の映画を編集するように再調整を重ねたそうだ。これだけの資金と時間をたっぷりかけたドラマが面白くない筈がない!

『センス8』シーズン2の第二話以降は、2017年5月5日Netflixにて一挙公開予定。

(C)Netflix. All Rights Reserved.
Eyecatch Image:https://youtu.be/1SAqtN_cXiY

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分かりやすくて面白いものが好きなミーハーです。あと、揚げた魚も好きです。

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