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M・ナイト・シャマラン監督『ミスター・ガラス』を全額自腹で製作していた ─ 『ヴィジット』『スプリット』も同様

ミスター・ガラス
©Universal Pictures All rights reserved.

『シックス・センス』(1999)などで知られるM・ナイト・シャマラン監督が、自身の最新作『ミスター・ガラス』を全額自腹で製作していたことがわかった。

シャマラン監督は『シックス・センス』が批評・興行の両面で大成功を収め、一躍ハリウッドの人気監督の仲間入りを果たす。その後『アンブレイカブル』(2000)や『サイン』(2002)でキャリアを順調に築いていったが、『ヴィレッジ』(2004)以降、その勢いに陰りが見え始め、『エアベンダー』(2010)や『アフター・アース』(2013)などが不振に終わったことから、キャリアはいわゆる低迷期を迎えることとなった。

そんなシャマラン監督の復活作となったのが『ヴィジット』(2015)と『スプリット』(2017)だ。特に『スプリット』は900万ドルの製作費に対して、全世界で2億7,800万ドルの興行収入を稼ぎ出し、シャマラン監督の完全復活を印象付けた。

このたび米Forbesが報じたところによると、『ヴィジット』、『スプリット』、そして『ミスター・ガラス』の3本は、いずれもシャマラン監督が全額自費で製作した映画だったという。『ヴィジット』ではペンシルバニア州にある125エーカー(約15万坪)の私有地を担保に、製作費500万ドルぶんの融資を獲得。『スプリット』(2017)でも同様に製作費900万ドルを出資した。規模が拡大した『ミスター・ガラス』では、上記2作品の収益と私有地を担保に得た融資金で製作費2,000万ドルをまかなったという(編注:この製作費にフィルムプリント代、宣伝広告費は含まれていない)。

M・ナイト・シャマラン
M・ナイト・シャマラン Photo by Gage Skidmore https://www.flickr.com/photos/gageskidmore/28769151787/

製作費の全額出資には大きなリスクが伴うため、シャマラン監督ほどのキャリアを持った人物は製作会社に出資を依頼することがほとんどだ。それでも自費での制作に踏み切ったのは、クリエイティブ面の決定権をより強固に得るためだったと思われる。自身の映画が不振に終わった時期の反省を活かしてだろうか、製作会社から受ける制約が多くなる中、自分の思い通りに作品を作り続けるためにリスクを引き受けたのだろう。

すなわち『アンブレイカブル』(2000)と『スプリット』(2017)の”その後”を描く『ミスター・ガラス』は、ブルース・ウィリス&サミュエル・L・ジャクソン&ジェームズ・マカヴォイという豪華キャストが集結したインディペンデント映画と呼べる作品なのだ。すでに本作には世界中から大きな注目が寄せられており、全世界オープニング興行成績は1億ドルを突破する見込み。単純に計算しても、公開直後の4日間で出資額の5倍以上もの興収を得ることになる。本作の収益を基に、さらなる“シャマランらしさ”全開の良作を世に送り届けてほしい。

映画『ミスター・ガラス』は2019年1月18日(金)より全国ロードショー

『ミスター・ガラス』公式サイト:http://Movies.co.jp/mr-glass

Source: Forbes

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Marika Hiraoka

THE RIVER編集部。アメリカのあちこちに住んでいました。

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