【ネタバレ】『シャザム!』ポストクレジットシーン解説 ─ 監督やプロデューサーの証言も

現在、スーパーヒーロー映画のお楽しみのひとつといえば、エンドクレジットの後に控えているポストクレジットシーンである。DCコミックス原作映画『シャザム!』のデビッド・F・サンドバーグ監督は、「今ではポストクレジットシーンは作らないといけないものですよね」と述べて、早くからその存在を隠しすらしなかった。
ポストクレジットシーンがあるのなら、その意味や舞台裏まできちんと読み解いてみたくなるもの。本記事ではデビッド監督やプロデューサーのピーター・サフラン氏らによるコメントも含めて、じっくりとポストクレジットシーンを噛みしめることにしよう。
この記事には、映画『シャザム!』のネタバレが含まれています。

ドクター・シヴァナとイモムシ
『シャザム!』第一のポストクレジットシーンは、本編の終了後、バットマンやワンダーウーマン、アクアマンといったDCヒーローとシャザムが“紙の上で”共演するクレジットの後にやってくる。厳密にいえば「ポストクレジットシーン」ではなく「ミッドクレジットシーン」と呼ばれるものだ。
本編のクライマックスでシャザムによって倒されたドクター・シヴァナは、狭い独房の中、ロック・オブ・エタニティへと戻ろうと必死にシンボルを書きつけている。正しいシンボルを思い出せず、苛立ち、絶叫して壁を叩いていると、シヴァナの耳に奇妙な笑い声が聞こえてきた。「原始的、単純。洞窟に絵を描くサルだな。魔法を得る方法がひとつしかないと思ってるのか? 違う、違う、考えている以上に方法はあるんだよ」。シヴァナの視線の先には、一匹の小さなイモムシがいた。「一緒に組んだら面白そうだな、7つの世界が我々の物になる」。

シヴァナに語りかけるイモムシの正体は、ミスター・マインドという名前のヴィラン。コミックでは1940年代から主人公の宿敵として描かれてきたキャラクターだ。コミックでもドクター・シヴァナを含むヴィランのチーム「モンスター・ソサエティ・オブ・イービル」を結成し、世界を征服すべく暗躍する。身体はイモムシだが非常に危険なキャラクターで、天才的な頭脳とマインド・コントロールの能力を持っているのだ。
ミスター・マインドが劇中で口にしている「7つの世界」とは、コミックに登場する「セブン・マジックランズ(The Seven Magiclands)」を指していると思われる。ロック・オブ・エタニティの駅を経由して向かうことができる、魔法が圧倒的な力をもつ、まさに「7つの世界」のことだ。ミスター・マインドはシヴァナと手を組んで、いくつもの世界を手中に収めようとしているようである。
続編の展開を示唆している…?
シヴァナ役のマーク・ストロングは、THE RIVERの取材に対して「ポストクレジットシーンは今後の展開を示唆しているんだと思います。すべては脚本家と監督、DCとワーナー・ブラザース次第。楽しみですね」と話してくれた。やはり、これは『シャザム!』の続編を見据えたものなのか…?
ところがデビッド監督は、このシーンについて「続編はこうなるとか、そういうものじゃないんです」とバッサリ否定。「誰かのために扉を開いておこう、ミスター・マインドを登場させようって。楽しい基礎工事ですよね。たくさんの人が映画を観て、“あれは何なんだ”って話し合ってくれたら面白い。知ってる人は“ヤバい、ミスター・マインドだ!”って思うでしょう」。まさにポストクレジットシーンを作るために、「最高のキャラクターだから」登場させたということだ。

プロデューサーのピーター・サフラン氏も、ミスター・マインドを登場させるアイデアについて「面白いだろうなと思っていたんです」と声を揃える。「『シャザム!』の歴史にちゃんと目配せすることにもなりますからね。ミスター・マインドはシャザムと同じくらい長いこと存在するキャラクターなので」。やはりシヴァナとミスター・マインドの共演は、現時点で何かを予告するものではないのだ。
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