「ゲースロ」原作者が「SHOGUN 将軍」大絶賛 ─ 「演技、演出、美術、衣装、すべてが素晴らしい」

「ゲーム・オブ・スローンズ」(2011-2019)の原作者ジョージ・R・R・マーティンが、真田広之製作・主演で同名小説を再ドラマ化した「SHOGUN 将軍」の翻案を絶賛している。
小説『氷と炎の歌』シリーズを執筆し、そのドラマ版「ゲーム・オブ・スローンズ」や「ハウス・オブ・ザ・ドラゴン」(2022-)などの製作にも携わるマーティン。かねてから「原作に忠実な翻案」を重要視しており、このたび自身のブログ「Not A Blog」にて、昨今のハリウッドにおける小説の翻案は「悪化している」と苦言を呈した。
「素晴らしい物語を『自分のものにしたい』と熱望する脚本家やプロデューサーが増えている」「自分ならもっと上手くやれると考え、物語を“改良”しようと躍起になる者がいるようだ」とマーティンは述べ、「だが決して良くはならない。1000回の内999回はかえって悪くなる」と指摘。その上で「しかし時々、最高の本の最高の映像化を目にすることがある」と前置きし、次のように語った。
「最近、そのような例に出会いました。米FXによる新バージョンの「SHOGUN 将軍」を一気見した時のことです」。
本作は、ジェームズ・クラベルによる1975年のベストセラー小説「SHOGUN」を、米FXが新たに映像化した戦国ドラマ。歴史上の人物や出来事にインスパイアされた「関ヶ原の戦い」前夜の日本を舞台に、“SHOGUN”の座を懸けた、乱世を生き抜く者たちの陰謀と策略が描かれる。原作は1980年にミニシリーズとして映像化されており、リチャード・チェンバレンや三船敏郎らが主要キャストを務めた。
1970年代に原作を読んで感銘を受け、ミニシリーズ版も「画期的だった」と語るマーティン。それゆえ最初は再ドラマ化することを「怪訝に思った」が、結果的に「製作してくれたことを嬉しく思う」という。
「新しい『SHOGUN 将軍』は素晴らしい。チェンバレン版より良いかというと、分からない。(中略)魅力的なのは、旧版と新版にはいくつか大きな違いがあるものの、(日本語の会話を英語圏の視聴者が理解できるよう、字幕をつけた点が最大の違いだが)どちらも独自の方法でクラベルの小説に忠実だということだ。原作者も満足したことだろう。新旧どちらの脚本家も原作を尊重し、『自分のものにしたい』という衝動に駆られることなく、素晴らしい映像化をしてくれた。」

こう絶賛した上で、マーティンは「でも、私の言葉を鵜呑みにせず、自分で確かめてほしい」と予告編動画を紹介し、「演技、演出、美術、衣装……すべてが素晴らしい。脚本も含めて。『SHOGUN 将軍』が十分にヒットすれば、同じチームがクラベルの他の小説を映像化するかもしれない」と締めくくった。
なお、ドラマ「SHOGUN 将軍」はリリース以来、たびたび「ゲーム・オブ・スローンズ」と比較されている。いずれも壮大な原作の映像化であり、陰謀や権力争いなど物語に共通点が多いからだろう。ただし「SHOGUN 将軍」は原作への忠実さに定評がある一方、「ゲースロ」はシリーズ途中で原作の物語を追い越してしまい、最終シーズンではドラマオリジナルの結末が賛否両論を巻き起こした。
ちなみに「SHOGUN 将軍」は当初1シーズン限りの予定だったが、世界的な大ヒットを受け、シーズン2と3の製作を準備中とのこと。小説では描かれなかった“続き”をどのように描くのか。
▼ 「SHOGUN 将軍」の記事
「SHOGUN 将軍」大阪・関西万博で衣装特別展示 ─ 真田広之ら着用の兜・甲冑や打掛が見られる 特別上映も! 「SHOGUN 将軍」シーズン2「じっくり慎重に製作したい」とディズニー幹部 ─ プロデューサー「第1話の大胆アイデアに驚いて」 脚本は完成している模様 クリストファー・ノーラン最新作『オデュッセイア』に「SHOGUN 将軍」コズモ・ジャーヴィスが出演 まだまだ豪華になっていく 真田広之「SHOGUN 将軍」シーズン2に「大プレッシャー感じています」 「プレッシャーをエネルギーに」 1980年版「将軍 SHŌGUN」監督、新しい「SHOGUN 将軍」は「アメリカ視聴者のことを全く考えていない」 「新作は滑稽」
Source:Not A Blog