真田広之「SHOGUN 将軍」シーズン2は「もう自分のためではない」 ─ 単独インタビュー
──シーズン1ではプロデューサーとして、細かなところまで監修をされたとお伺いしています。足音の聞こえ方ひとつまで気を配られたと。今回のシーズン2では、プロデューサーとして担当範囲が増えたことは?
今回はエグゼグティブ・プロデューサーとなりました。プロデューサーとしての肩書自体、シーズン1の時が初だったんですけど、初のEP(エグゼグティブ・プロデューサー)ということで。
現場やスタジオに戻った時、周りの方の見る目や、耳を傾けてもらえる範囲が広がった。同時に、そこには責任が伴います。下手なことは言えないぞ、と。
やはり、言ったことが通ってしまう“良さ”と“怖さ”が同時に押し寄せていて……。言うからには、裏付けを取って発言しないと、それでカンパニーが動いてしまうという責任感はすごく感じますね。
今までは、プロデューサーとしての肩書きがないが故に、意見を言うことを躊躇したり、タイミングを見計らって、どんな言い方をすれば相手のプライドを傷つけずに作品を良くできるか、というのがテーマだった。シーズン1でプロデューサーの肩書きを頂いたことによって、意見が堂々と言えるようになった。プロデューサーとして日本人スタッフを雇えたことで自分の負担が軽くなった。
同時に、自分が呼んだスタッフの全てに対して責任を持たないといけない。そのやりやすさ、楽しさと同時に、責任も感じました。今回は、それが増幅したという感じ。意見が通りやすいが故に、発言に責任を持たなければいけない。
──「SHOGUN 将軍」を“プラットフォーム”だと表現されているのが印象的でした。本作をもって、アジアや日本の俳優やアーティストたちの世界的な注目度は一気に高まったと思います。「SHOGUN 将軍」を通じて、どのような未来や希望を見据えていらっしゃいますか?
この作品を撮っている時には、まさかこういう評価を得られるとは……、夢には描いていたのですが、ここまで評価されるというのは思ってもいなかった。とにかくやれるだけやって、アピールをして、日本やアジアの才能が世界に向けて紹介できればという思いでした。
今回のシーズン1の成功を受けて、その思いがより強まった。作品が評価されたことによって、可能性が広がったと思うんですね。アジアに向けて、日本に向けてのハリウッドの門がより広く開いた。橋をかけるという意味では、今はまだ木製かもしれませんが(笑)、(シーズン1で)木造りの橋が掛かった感覚はあるんです。
それをいかに幅広く、強固なものにしていくかというのがシーズン2の役目だと思っています。もともとシーズン2は考えずに作っていたので……、本当にできるのか、なぜやるのかと考えた時に、やはり“プラットフォーム”として、自分の俳優としての欲よりも、プロデューサーとしての使命感です。
私がシーズン1で味わった、あの思い……。素晴らしい才能を世界に紹介する、そして評価されるというプロセス。もう自分のためではなく、今後の日本のキャスト、クルー、アジアの人たちのために、この場を維持することが大事だと。それがシーズン2を引き受ける一番の原動力でした。
じゃあさらに、本当にオリジナルでどこまで行けるのか。このチームワークと新たなキャストで、もう一度世界にアピールしようよと。自分の中では、“プラットフォーム”として受け入れる場をキープすることが、シーズン2の大きな意味となりました。

「SHOGUN 将軍」シーズン1は、ディズニープラス スターで全話独占配信中。シーズン2の撮影は2026年1月に開始される。
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