「SHOGUN 将軍」で真田広之に助けられた話を鞠子役アンナ・サワイが披露 ─ 「困ったことがあったら、何でも聞いてくださいね」

ハリウッド戦国ドラマ「SHOGUN 将軍」からは、真田広之のリーダーシップにまつわるエピソードが多数聞こえてくる。主人公各のキャラクターの一人である戸田鞠子役を演じたアンナ・サワイは、米The Hollywood Reporterに、真田広之の聖人ぶりを詳しく話している。
「真田さんのことを考えると、彼が虎永様と重なって感じられるんです」とサワイ。演じた鞠子は、真田による吉井虎永に仕える通詞の役だ。
困ったことがあれば真田さんを頼ろう、という関係性が、虎永と鞠子のそれによく似ていた。虎永のようなお殿様のようにではなく、どんなことでも親身になって答えてくれたそうだ。
「たいていの場合、若手俳優が業界の人に会うと、その人たちがあまりに多くのことを知りすぎているので、近寄りがたいこともあります。でもヒロさんの場合は、“困ったことがあれば、何でも聞いてくださいね”という感じでした。」
若手役者やエキストラたちが演技を学ぶブートキャンプがあったというが、真田は参加する必要がないにもかかわらずふらりとやってきて、非常に価値のある教えを説いてくれたのだと、サワイは話している。
さらに真田は、技術的なことも積極的に教えていたそうだ。劇中では鞠子が刀を持つシーンがあるが、当時の女性の刀の扱い方は特殊なもので、男性と女性では振り方が違っていた。しかし真田は彼女がどのように刀を振るうべきかを熟知しており、サワイに伝授してくれたという。
そのほかにも、サワイが「2、3行の」時代劇言葉について真田に質問しに行くと、あっという間に10行のセリフに変えて教えてくれたそうだ。そればかりでなく、真田がわざわざ週末を使って、FaceTimeを通じてセリフ回しをサワイに指導してくれたという。
「それから、彼とご一緒するシーンで、私が悪戦苦闘する日々がありました」とサワイ。「私がただ“どうすれば良いでしょう?”といった顔で彼を見ると、こう言ってくださいました。“無理はしないでね。今、君が感じている感覚っていうのは、おそらく鞠子も同じように感じているものだよ。でも鞠子はそれらを全て隠さなくてはいけない。だから、それは表現しなくてもいいんだよ。ただそこにあれば良い”」。

「多くのことを教えていただきました」とサワイが語るように、「SHOGUN 将軍」出演者からは、真田広之にいかに助けられたかを語る言葉がほかにも語られている。例えばライバルの石堂役の平岳大は、真田が極寒の撮影地で、演者と監督の間を往復して走り、メッセンジャー役を務めていたと明かしている。落ち葉の方役二階堂ふみは「学ぶことが多くありました」「いつお休みになっているんだろう」とコメント。
按針役のコズモ・ジャーヴィスは、「特に若い役者に対しては、自ら手本を示されていました。だから、みんなが彼のために尽くしたいという気になっていました。彼の側にいられてよかったです」とTHE RIVERの取材で話している。マーティン司祭役のトミー・バストウは元々真田広之の大ファンだったため共演シーンでは緊張してしまったそうだが、「彼は僕を落ち着かせてくれたんです。友人として、先生として、そしてプロデューサーやディレクターとして。彼は、“自分はここにいて然るべきなんだ”と感じさせてくださいました」と振り返っている。
ドラマ「SHOGUN 将軍」はディズニープラス「スター」で配信中。