真田広之「SHOGUN 将軍」、裏側の闘い語る ─ 「この作品をニューノーマルに」「今時、これくらいやらないと恥ずかしいのだと」【単独取材】

ヘアメイク:高村義彦(SOLO.FULLAHEAD.INC)
2024年の1月にとある授賞式の場で、『ジョン・ウィック』シリーズのチャド・スタエルスキ監督と再会した。「『SHOGUN 将軍』のトレーラー、観たよ……」とスタエルスキは言ったそうだ。どうやって、あんなクオリティが実現できたのかと、興味津々だったという。真田の話を聞いたスタエルスキは、「やっぱり、日本人の役は日本人でやらなきゃな……」と呟いた。
スタエルスキは日本の時代劇ゲームを実写化する「Ghost of Tsushima」に取り組んでいる。別の企画が監督次回作に決定したため、実現はまだ先のことになりそうだが、彼はかねてから「オール日本人キャスト」の意向を口にしていた。「SHOGUN 将軍」の真田の姿を見て、その決意も固くなったことだろう。
何らかの形で「Ghost of Tsushima」に参加するのはどうか?尋ねてみると、「実は、打診はされています」と真田。「もし関わるとしたら、ポジションはどうなるかはわかりませんが、助言はできると思います。とにかく、まずチャドには『SHOGUN 将軍』全10話を観てほしい。それから話をしたいですね。ゲーム寄りで行くのか、本物志向で行きたいのか、それによって僕の関わり方やスタンスも変わると思います」。

「SHOGUN 将軍」で初めてプロデューサーを任されたことについて真田は、「日本のものを海外に紹介していけるポジションに辿り着くことができた」と感慨深い。今後も、日本が題材の作品ではプロデューサーを務め、日本の優秀な人材やストーリー、美学を伝える橋渡し役となることが目標だと語る。
一方で、「文化を背負わない」作品では、「気軽に俳優として楽しみたい」とも。「『ブレット・トレイン』や『ジョン・ウィック』は別世界ものと言いますか。生の現代日本を見たいというよりは、近未来に近い、想像の世界の日本を見たいというコアファンに向けて作られています。そういうことであれば、僕は甘受して、ただ役者として(現場に)行って。よほどおかしいところは直しますけれど、むしろその世界観をエンジョイする立場です」。
そういう作品があっても良いと、真田は続ける。「それによって日本に来たいと思ってくれる人が増えれば良い。ケース・バイ・ケースで割り切っています」。
ただし本作「SHOGUN 将軍」は違う。徹底した時代考証、裏の裏まで目を光らせた監修。一才の妥協を許さず、日本の文化を正しく世界に伝える。「この作品が、異文化を描く時のニューノーマル、常識になってくれることを祈っています」と、真田は想いを込める。「今時、これくらいやらないと恥ずかしいよ、ということを、スタジオや作り手が考えてくれるキッカケになれば。5年後、10年後、より多くの日本の題材や俳優たちが海外に進出してく可能性が広がってほしい。そのためにも、本作を成功させたかったのです」。
「SHOGUN 将軍」はディズニープラスの「スター」にて独占配信。
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