『モービウス』『ドクター・ストレンジ』『オールニュー・キャプテン・アメリカ』ほか注目タイトル発売【邦訳アメコミ最新情報】

『バットマンズ・グレイブ』(DC)
事件に深入りするほどに、彼は死に近づいていく……。ゴッサムシティの守護者にして、世界最高の探偵でもあるバットマンを重厚なストーリーで描き出す話題作がついに登場。
『バットマンの墓』という不穏なタイトルを掲げる本作は、DCユニバースの正史からは独立した世界観で描かれる読み切り作品。普段は、ゴッサムの守護者としてヴィランと闘いを繰り広げる「ヒーロー」としての印象が強いバットマンだが、本作では犯罪現場に赴き、プロファイリングを重ねながら事件の真相に迫るバットマンの「探偵」としての側面が色濃く描かれる。
本作のブルース・ウェインは、綿密なプロファイリングで犠牲者になりきり、自分自身でその死を追体験することによって事件の真相に迫る。だが、繰り返し犠牲者の死を体験することによって、ブルースが少しずつ彼自身の命を削っていることに、執事であるアルフレッドだけが気づいていた。
事件に深く入り込むほどに、自分自身の死に近づいていくバットマン。安アパートの一室で起こった殺人から、事件は次第に混迷を極めていく。真相へと向かうバットマンが行きつく先は自らの墓場なのか……?
『アルティメッツ』などで知られる実力派アーティスト、ブライアン・ヒッチによる、擬音を一切使わない迫力満点のアクションシーンも必見。映画作品で見られるようなダークでハードボイルドなバットマンが好きな方には特におすすめしたい、読み応えのある一冊だ。
『モービウス』(MARVEL)
2022年公開予定マーベル最新映画『モービウス』。スパイダーマンシリーズの異色ヴィランによる単独主演作がついに登場だ。
2022年にソニー・ピクチャーズ配給により公開が予定されているマーベル最新映画『モービウス』。いったいどういうキャラクターなの?と気になっている方も多いのでは。
モービウスは、1971年10月の『アメイジング・スパイダーマン』#101にてスパイダーマンの敵対者として初登場したヴィラン。もともとはノーベル賞を受賞するほどの優秀な生物学者だったモービウスだが、難病の血液疾患に長年苦しめられ、吸血コウモリの血清と電気ショックによる治療を試みた結果、疑似吸血鬼と化してしまう。いわゆる「吸血鬼(バンパイア)」とは異なり、科学的な処置によって、あくまで人間として、生きたまま吸血鬼に似た性質を獲得したので、「リビング・バンパイア(生ける吸血鬼)」と称されている。
人間の血液に対する渇望に常に苦しめられ、理性を失っては凶暴化するモービウスだが、望むことはただ一つ「人間に戻りたい」ということ。
2019年11月から2020年3月にかけて刊行された本作『モービウス』では、悪党から盗んだ粗悪な薬品により、モービウスは人間に戻るどころか、さらなる血液への欲求にさいなまれることに……。
スパイダーマンの力を借りて、なんとか理性を取り戻すモービウスだが、そこへモービウスへの復讐を誓い、バンパイア・ハンターとなった幼馴染のエリザベスが現れ……?はたしてモービウスは血塗られた運命に打ち勝ち、己の魂を取り戻せるのか? 映画公開前にぜひコミックスでお楽しみあれ。
https://books.shopro.co.jp/?contents=9784796878357
『ドクター・ストレンジ:ゴッド・オブ・マジック』(MARVEL)
世界を守る至高魔術師(ソーサラー・スプリーム)その名はもちろん……ロキ?鬼才ドニー・ケイツによる奇想天外な物語が登場だ。
本作は2017年11月から2018年2月にかけて刊行された『ドクター・ストレンジ』#381-385を収録した作品。脚本を手掛けるドニー・ケイツはいまや現在のマーベルを代表するライターの一人とされる実力派ライター。本作と、ほぼ同時期に手がけた『サノス・ウィンズ』の二作が、その大胆な着想で話題を呼び、一躍人気ライターの仲間入りを果たすきっかけとなった。アーティストのガブリエル・ヘルナンデス・ウォルタは、アイズナー賞受賞作『ヴィジョン』などでその名を知られている。
そんな話題の本作、『ドクター・ストレンジ』誌でありながら、冒頭、至高魔術師(ソーサラー・スプリーム)として登場するのは、なんと……ロキ!
ドクター・ストレンジの邸宅に住み、ドクター・ストレンジのマントをはおり、至高魔術師を名乗るロキ。かつての至高魔術師ドクター・ストレンジに、一体なにが起こったのか? ロキが探し求めている謎の呪文“シンスーンの放逐”とは何なのか?あまりに危険で強力とされるその呪文の隠し場所をめぐり、ドクター・ストレンジとロキの対決が幕を開ける。はたして二人の対決の行方は?鬼才ドニー・ケイツによる奇想天外な物語をどうぞお楽しみいただきたい。
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