【閲覧注意】スレンダーマンにご用心!異常に背が高く手足が長い、都市伝説に登場する恐怖を扱ったドキュメンタリー映画『BEWARE THE SLENDERMAN』

あなたは、「スレンダーマン」(The Slender Man、Slenderman)をご存知だろうか?

スレンダーマンとはアメリカの都市伝説に登場する不気味な存在であり、背が異常に高く、ガリガリに痩せていて、異様なまでに長い手足を持った男性の姿をしていると言われる。

さらにその容姿は、黒いスーツと白いワイシャツを身に纏っており、背中から触手が生えているとか、瞬間移動の能力(スレンダー・ウォーキング)を持っているとか、その姿を直接見た者は死ぬとか噂されている。そしてターゲットに決めた誰かをストーキングしたり、捕まえて拉致したり、何らかの心的外傷を相手に与えたりすると言われており、特に子供たちがそのターゲットにされることがほとんどだという。

Beware the Slenderman

https://www.youtube.com/user/HBODocs

このスレンダーマン伝説は、その噂が噂を呼び、インターネット上で大きく広がり、様々な言い伝えや伝説、果ては神話的な世界観へと広がりを見せている。

そしてついに、米国のケーブルテレビ放送局HBO(Home Box Office)にて、このスレンダーマンを扱ったドキュメンタリー映画が放送されることになった。監督はアイリーン・テイラー・ブロッドスキー(Irene Taylor Brodsky)。

その予告編が公開されているので、興味のある方は是非にもご覧いただきたい。

タイトルは『Beware the Slenderman』である。

このスレンダーマンには、しっかりとした噂の発生源が存在していることは、あるいはご存じの方も多いかもしれない。

2009年6月8日、サムシング・オーフル(Something Awful: The Internet Makes You Stupid)というウェブサイトのフォーラムに、「Photoshop でパラノーマルな画像を創り出そう (create paranormal images through Photoshop)」という趣旨のスレッドが立てられた。その2日後の6月10日、このフォーラムにビクター・サージ (Victor Surge)、本名エリック・クヌーゼン(Eric Knudsen)という利用者が、真っ黒い背広を着た長身で痩身の怪しげな人物が、複数の子供たちと一緒に写っている白黒の写真を投稿したのである。

SLENDERMAN

http://victor-surge.deviantart.com/

最初の投稿時には写真だけであったのだが、その後ビクター・サージは、子どもたちが誘拐される様子を見ていた目撃者の証言のような文章をフォーラムに書き込み、写真に写っている謎の男のことを「スレンダーマン(痩せた男)」と呼んだのである。

“we didn’t want to go, we didn’t want to kill them, but its persistent silence and outstretched arms horrified and comforted us at the same time…” 1983, photographer unknown, presumed dead.

 

僕たちは行きたくなかったし、僕たちはみんなを殺したくなかったけれど、あいつは永遠に続く沈黙と腕を広げて、ぼくたちを怯えさせながらも、同時に慰めてくれた・・・

1983年、撮影者不明、撮影者は死亡したと推定される

 

SLENDERMAN

http://victor-surge.deviantart.com/

 

One of two recovered photographs from the Stirling City Library blaze. Notable for being taken the day which fourteen children vanished and for what is referred to as “The Slender Man”. Deformities cited as film defects by officials. Fire at library occurred one week later. Actual photograph confiscated as evidence.

1986, photographer: Mary Thomas, missing since June 13th, 1986.

 

スターリング・シティ図書館の火災現場跡から回収された2枚の写真のうちの1枚。14人の子どもたちが失踪した当日に撮影されたものであり、「スレンダーマン」と称されるものが写っている。当局は、人物の奇形はフィルムの欠陥によるものだと述べている。図書館の火災は、その1週間後に発生した。証拠として押収された実際の写真。

1986年、撮影者メアリー・トーマス、1986年6月13日失踪

 

このことを切っ掛けとして、スレンダーマンの噂がインターネット上でウィルスのように感染をはじめ、様々な姿に形を変えながら拡大してゆくことになる。

例えば有名な都市伝説サイト「CreepyPasta」(クリーピーパスタ)で大きく肉付けされたり、サムシング・オーフルの利用者「ce gars」の投稿から発展した『Marble Hornets』(マーブル・ホーネット)という”スレンダーマンもの”の映像作品がYouTubeに投稿されたりして、さらなる噂の伝播を巻き起こしている。前述の『Marble Hornets』とは、アレックス・クレイリー (Alex Kralie)という、架空の映画学校の学生が、初めての本格的な映画作品『Marble Hornets』を製作しようとしたが、何らかのトラブルの為に撮影を中断、その友人が彼の撮影した映像を貰い受けて、内容を確認してゆくと・・・という、いわゆるファウンド・フッテージのスタイルで 描かれている。

ちなみに2013年には、この『Marble Hornets』の映画化の話が持ち上がっていたそうで、ギレルモ・デル・トロの『パンズ・ラビリンス』(El Laberinto del fauno)でのパン役およびペイルマン役や、同じくデル・トロの『クリムゾン・ピーク』(Crimson Peak)での幽霊役で知られる、パントマイム俳優のダグ・ジョーンズ(Doug Jones)が、おそらくはスレンダーマン役として出演者の候補にあがっていたようなのだが、2017年に公開予定らしいということ以外、プロジェクトの進行具合は不明である。

この本家の『Marble Hornets』シリーズについては、現時点で実に87本という膨大な映像が投稿されているのだが、まあ1本あたりは1分くらいのものから、長くても15分程なので、もし興味のある方は一気に鑑賞してみていただきたい。日本語字幕も付けられているので。

そしてこのスレンダーマンに関しては、その神話的あるいは民話的側面について多くの学者が言及しており、南デンマーク大学 (University of Southern Denmark) のトム・ペティット (Tom Pettitt) 教授は、スレンダーマンは現代における「グーテンベルグを括弧に入れる (Gutenberg Parenthesis)」一例であり、印刷術の発明からウェブの普及に至るまで続いていた、話や情報が直説的メディアに封じられていた状態から、より古い時代からある、原始的な形態で物語られ、例えばキャンプファイアーの場における話のように、同じ話が何度も語りなおされ、異なる語り手によって再解釈あるいは再発信されてゆきながら、時とともに拡大し成長していくといった形へと回帰しているのだと、述べているそうである。

SLENDERMAN

http://eluniversalprensa.com/

しかし、2014年5月31日、スレンダーマンが現実の世界に影を落とす。ご存じの方も多いかと思うが、ウィスコンシン州のウォキショー郡で、ふたりの12歳の少女たちが、同じく12歳の同級生を刃物で19回に渡ってメッタ刺しにするという事件が起こる。

尋問を受けた少女たちは、「CreepyPasta」で読んだスレンダーマンの「手下」になるための第一歩として、殺人を犯そうとしたのだと話したという。また少女のひとりは、スレンダーマンが自分を監視しており、彼女の心を読んだり、瞬間移動して自分のもとに来たりするのだと話していたとも言われる。

この事件、たまたま自転車で通りかかった人が止めに入ったため、殺人事件には至らなかったが、ふたりの少女がもし成人として扱われることになれば、最大で懲役65年の刑に処される可能性があるという。

最後になったが、今回ご紹介したHBOで放送されるドキュメンタリー映画は、実はこの少女たちの起こした事件にメインの焦点があてられている。米国での放送日は2017年1月23日、日本でもいずれどこかのチャンネルで放送される機会があるかも知れないし、インターネットでの視聴が可能になるかもしれない。あるいはソフト化されるかもしれない。その際にはぜひ鑑賞してみたいと思っている。

余談になるが、大人気ゲーム『Minecraft』(マインクラフト)に登場するエンダーマン (Enderman)は、このスレンダーマンがモデルになっているらしい、ここであえて言わずとも誰もが知っていることだったかもしれないが、念のためにこっそりと囁いておく。

では皆さんも、スレンダーマンには、十分ご用心ください、Beware the Slenderman !

Beware the Slenderman

http://www.imdb.com/title/tt5329376/

About the author

普段はあまり摂取しないコーヒーとドーナツを、無駄に欲してしまう今日この頃。You know, this is - excuse me - a damn fine cup of coffee.

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