【ネタバレ】『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』幻のポストクレジットシーンが判明

この記事には、映画『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』のネタバレが含まれています。

ザ・スポットの逆襲
『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』には、近年のスーパーヒーロー映画には珍しくポストクレジットシーンが存在しない。前作『スパイダーマン:スパイダーバース』(2018)では、ポストクレジットシーンでスパイダーマン2099/ミゲル・オハラが初登場したのに対し、今回は続編『ビヨンド・ザ・スパイダーバース(原題)』のタイトルと、主人公マイルス・モラレスのカムバックが予告されるのみにとどまっている。
もっとも製作陣は、当初はポストクレジットシーンを付けることを検討していた。それはヴィランのザ・スポットの“進化”を象徴するシーンで、本編からカットされたもうひとつの場面に対応する計画だったのだ。
フィル&クリスによると、映画の序盤には、ザ・スポットが『スパイダーマン』シリーズのヴィランたちが集まるバーを訪れるシーンがあったという。彼は誰にも気づかれず、なかなかお酒を飲めずにいるが、ようやく酒を盗んで飲む。すると、お酒が身体の穴から全部漏れ出てしまうのだ。そのシーンには、ザ・スポットが「もっとたくさん穴をあけて、あいつの心の穴を塞いでやろうぜ」とからかわれる台詞もあったといわれている。
しかし、劇中でザ・スポットは驚くべき進化を果たす。加速器によって強さを手に入れたザ・スポットは、自分の穴を通じて自由自在に移動し、マルチバースそのものの脅威となるのだ。削除されたポストクレジットシーンは、再びバーに現れたスポットが、自分をバカにしたヴィランたちを瞬殺するという内容だった。
キャラクターのアニメーションを担当したアラン・ホーキンスは、このシーンが削除されたことを残念がっている一人だ。「いじめられていた男が戻ってきて、ささやきひとつで向かってくる奴らを全員倒す。大好きな場面でしたが、成立させるには両方のシーンが存在しなくてはいけませんでした」。

では、なぜこのポストクレジットシーンは削除されてしまったのか。その理由について、フィルは「ラストシーンを超えるものにするのが難しかったため」と一言で説明。米Colliderでは、監督のホアキン・ドス・サントス&ケンプ・パワーズがその意図をより丁寧に解説している。
「ポストクレジットシーンについて議論する時、(本編の)ラストにあるシーンのどれかをポストクレジットにしようと話したこともありました。マイルスがサンドバッグに縛られている場面や、グウェン(・ステイシー)とピーター(・B・パーカー)の場面のことですね。けれども最終的には、あらゆるキャラクターが窮地に立たされているのを同時に見せることで、次回作へと観客を送り出せるとわかったんです。マイルスのもとにチームが向かっていくのも見せていますから。」
すなわち、ザ・スポットのポストクレジットシーンでは、マイルスやグウェン、ピーターといった主要キャラクターを描くことのエネルギーを超えられないと判断されたのだ。映画を潔く終え、美しい形で続編に繋げるため、あえて本作ではポストクレジットシーンなしという選択が下されたのである。
映画『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』は2023年6月16日(金)より公開中。続く『スパイダーマン:ビヨンド・ザ・スパイダーバース(原題)』は2024年公開予定。
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