【特集】夢追う若者ハン・ソロ、銀河の裏社会と対峙する ― 『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』が見せる過去

映画『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(2016)に次ぐ、「スター・ウォーズ」シリーズのスピンオフ映画第2弾『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』は、ハリソン・フォードが演じたハン・ソロの“若き日の冒険”を描く作品だ。
私たちの愛するハン・ソロはいかにして生まれたのか、どんな過去があったのか。本記事では、主人公ハン・ソロ役のオールデン・エアエンライクらの言葉から、ハン・ソロの新たな――しかしおそらく一番最初の――大冒険について紐解いていきたい。
夢を追う若者、ハン・ソロ
『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』でメガホンを取った名匠ロン・ハワード監督は、本作を「ノワール西部劇」だと形容。その主人公として冒険に飛び込んでいくハン・ソロについては、「裏社会で名を上げたがっている、苦しい生活を送る少年です。ただし、彼自身の良識がそれを引き止めるんですよ」と話した。米Entertainment Weekly誌のインタビューにて、若きハン・ソロ役のオールデンも監督の言葉に同意する。
「(この映画は)若い男が、辛い生い立ちから抜け出すために夢を追いかけるストーリーだと思います。彼は夢を叶えようとして、それが想像よりもはるかに厳しいことを知るんです。」
この映画において、ハン・ソロという男は、ハリソンが演じたハン・ソロではない。まだ成熟していない、周囲に抵抗する“青二才”なのだ。オールデンは本作の魅力について、「スター・ウォーズ・ユニバースにおける真の裏社会が舞台であるところが、この映画の面白いところ。それこそがハン・ソロという人物を形づくっていくんです」と話す。
「この映画のハン・ソロが(ハリソンが演じたハン・ソロと)大きく違うのは、より理想主義者だというところ。彼には追いかけている夢があって、それが彼にどんな影響を与えるのかを知ることになるわけです。夢が新たな現実にぶつかるんですよ。想像していたよりも厳しく、困難な現実に。」
ハン・ソロが追っているという夢について、もちろんオールデンは詳細を明かしていない。しかし、それは「自立すること、自分のことを自分が決めることに繋がっている」のだとか……。
「スター・ウォーズの世界で生きていくのは大変なことです。特に帝国の統治下にあって、多くの人々は軍隊や、そういったものに支配されている。自分のことを自分で決める、自分がしたいことをする、自由を手にする、それだけの資産と安定は簡単に得られないんですよ。つまり彼の夢は、そういうものの実現に関係しているんです。」
真の自立をめぐる冒険の中で、ハン・ソロはチューバッカやランド・カルリジアン、キーラ、新ドロイドのL3-37、師匠となるトビアス・ベケット、そして裏社会の権力者ドライデン・ヴォスらに出会っていく。誰が味方で誰が敵なのか、オールデンによれば「それこそハン・ソロが物語を通して見極めていくこと」なのだとか。夢を追う青年が、いかに“あのハン・ソロ”になっていくのか、その経緯が見どころであることは間違いないだろう。オールデンは、脚本を執筆したローレンス&ジョン・カスダンに賛辞を送る。
「(ローレンス&ジョン・)カスダンはスゴい仕事をしていますよ。時間を遡ることで、(ハン・ソロに)どんな背景があるのか、それが誰もが知るキャラクターにどう繋がっているのかを作り上げているんです。」
ローレンス・カスダンといえば、『エピソード5/帝国の逆襲』(1980)や『エピソード6/ジェダイの帰還』(1983)、そして『フォースの覚醒』(2015)を執筆したシリーズの重鎮だ。彼はハン・ソロというキャラクターの魅力について、1977年にジョージ・ルーカスが描いた姿を参照しながらこのように語っている。
「若いころ、初めてカンティーナにいるハン・ソロを見て、すぐに刺激を受けました。私にとって、彼は映画全体を高めてくれる存在でしたね。これまで常に愛してきたキャラクターです。無鉄砲で、ひねくれていて、誰のことも信じていない。ちょっとバカで、そこも大好きですよ(笑)。やっちゃいけないことをして、収拾がつかなくなってしまうんです。ジョージ・ルーカスが撮った(『新たなる希望』の)カンティーナのシーンには、そういうところが見えますよね。」
オールデン・エアエンライク

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