【ネタバレ】『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』にDCオマージュあり? ─ あのタイトルに注目
この記事には、『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』のネタバレが含まれています。
『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』(2019)につづく最新作の序盤では、クエンティン・ベック/ミステリオにより正体を暴露され、さらに殺害容疑までかけられてしまったピーター・パーカー/スパイダーマンが、学校をはじめ世間から非難を浴びる姿が映し出されていく。そのバッシングがピーターだけでなく、MJやネッドなど身近な存在にまで飛び火する中、これを利用する手はないとすぐさま行動に移したのが、フラッシュ・トンプソンだ。
かねてよりフラッシュはオタクのピーターを見下し馬鹿にしていたが、スパイダーマンであることを知った途端、手のひらを返すのだった。スパイダーマンの親友であると世間に知らせ、自分の人気を獲得しようとしていく。ご都合主義のフラッシュは、ピーターたちが野次馬に囲まれる状況を利用して、『フラッシュポイント』というタイトルの書籍の宣伝活動を行った。
フラッシュの名前が題名に入っていることから、彼の自伝作品であると思われるが、中身の内容についてはさておき、このタイトルに注目してほしい。なぜならこれこそが、DCコミックスへのオマージュだからだ。『フラッシュポイント』は、DCコミックスのリミテッドシリーズとしておなじみの作品で、バリー・アレン/フラッシュが世界の異変に気づき、ヒーローとしての能力を失うも元の世界を取り戻すために奮闘する物語である。
『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』では、“自分の正体が知られていない世界”に戻すため、ピーターがドクター・ストレンジを頼ることになる。ところが、その呪文によって時空が歪んでしまい、世界にかつてない危機が訪れてしまう。ピーターは自身の願いにより歪んでしまった世界を元に戻すため奮闘していく。つまり並行世界をめぐる物語が描かれる『フラッシュポイント』と、マルチバース展開の本作は物語的にも少し似ているというわけだ。
ちなみに『フラッシュポイント』は、2022年11月4日に米国公開が予定されているDC映画、『ザ・フラッシュ(原題)』の原案となる作品としても知られている。
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