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【インタビュー】「ストレンジャー・シングス」スティーブ役ジョー・キーリー、新境地のサイコスリラー『スプリー』 ─ 「この映画は風刺そのもの」

『スプリー』
(C) 2020 Spree Film Holdings, LLC. All Rights Reserved.

そういったものは、情報のサイクルに捕まってしまって完全に無かったもののように忘れられてしまう。それから僕たちは何にも学ばない。そういうテーマ性があるんだと思います。だからこそこの映画をたまらなくやりたくて、ユージーン監督が作品を通して何かを主張したかったんだということも知ってましたから。ほんとにたくさんのレイヤーがあって、僕はこの作品を3回観たと思うんですけど、観る度に“良い決断だった。ユージーン監督グッジョブです”って感じてました。

※Reddit,4chan…英語圏の巨大なネット掲示板

── フォロワーから支持されるようになるカートからは、一種のアンチヒーロー性を感じました。実際に役を演じるにあたってこの部分は意識されましたか? 

意識はしていたと思いますし、撮影が始まる前にはこの側面に少し恐怖を感じていました。彼の行いを美化したくなかったですし、彼は根っからの負け組でやってることも間違ってます。けど、終盤10分での彼はある意味美化されていて、特にカートと似たようなことをしている人間たちはインターネット上で美化されがちですよね。すごく繊細な領域だと思います。

『スプリー』
(C) 2020 Spree Film Holdings, LLC. All Rights Reserved.
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── カートへの憑依ぶりは圧巻でしたが、撮影後に気持ちの切り替えなどはスムーズに出来ましたか?それとも、何か余韻のようなものはありませんでした?役を引きずるとか。

あったと思いますね。少なくとも、撮影初日に向けて準備するためにやっていた習慣とかもあったので、そういったものを今も少し感じたり、ユージーン監督に会うと当時の僕たちのエネルギーが蘇ったりします。まあそうですね、何かに取り組んだり捧げていたりする人たちだったら、ほとんどがそう感じるんじゃないでしょうか。離れてしまっても、ああいうことしたなって思い出しますし。

── この映画がアメリカで公開された時、カートのInstagramアカウントが作られてましたね。投稿などは実際にあなたが行っていたんですか?

そうなんです。TikTokとかもあったと思います。ユージーン監督がアカウントを管理していましたけど、一緒にコンテンツを作りました。たくさんのビデオを作って編集して。この映画を紹介するのに素晴らしいと思ったんです。ほかの作品ではこういうことはあまりないですから。誰もがSNSを使っていますし、スクロールしてもらって、変なビデオを見て、“この人なにしてんの?これホント?フェイク?”って思ってもらうんです(笑)。笑ったり戸惑ったりしてもらえたと思います。それが狙いでしたから。

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── 見た時は確かに戸惑いました。見入っちゃいましたけど(笑)。

おお、イイですね。見てもらえて嬉しいですよ。

── そういえば、本作には製作総指揮としてラッパーのドレイクが参加していますよね。彼とは何かお話などはしましたか?

すごく短い間ではあったんですけど、お会いしましたよ。部分部分で現場にも来てくれました。彼について尊敬しているところは、ユージーン監督のことを心から信じていたことですね。これってすごく難しいことだと思うんです。製作として携わっているから。彼のチームも常に一緒にいたんですけど、それでもユージーン監督を信用して、ご自身が持つヴィジョンを完成させていました。ドレイクは真の男(Drake is the man)ですね(笑)。

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目標は尊敬する人とのコラボレーション、キャリアの展望語る

──  「ストレンジャー・シングス」のスティーブ役で多くの人があなたの名前を知るようになったと思いますが、本作『スプリー』やNetflix作品の「さらば! 2020」、『フリーガイ』などを通してどんどんキャリアを進めていますね。自身の成長や成功をどう感じていらっしゃいますか?

自分が興味あることをやって、尊敬する人たちと働いて、僕の元にやってきたチャンスを掴んでいるだけなのでね…。この業界にはぜひご一緒したいと思う才能ある方たちがたくさんいて、もしかしたらそういう方たちと何かを作ることが、僕の一番デカイ目標かもしれないです。学び続けることも大切ですし。

Writer

SAWADA
SawadyYOSHINORI SAWADA

THE RIVER編集部。宇宙、アウトドア、ダンスと多趣味ですが、一番はやはり映画。 "Old is New"という言葉の表すような新鮮且つ謙虚な姿勢を心構えに物書きをしています。 宜しくお願い致します。ご連絡はsawada@riverch.jpまで。

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