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新ゴーストバスターズ監督・主演タッグ!ジェイソン・ステイサムとジュード・ローのスパイコメディ映画『SPY/スパイ』レビュー

『SPY/スパイ』

8月19日公開の『ゴーストバスターズ』。その監督のポール・フェイグと主演の一人メリッサ・マッカーシーによる2015年公開(日本未公開、先日DVD/Blu-Rayリリース)のスパイコメディ映画。助演で英国アクションスター、ジェイソン・ステイサムと同じく英国の名実ともに高いジュード・ロー、そして、コメディもシリアスもこなすローズ・バーンらが出演しています。

あらすじ

CIAで内勤をしてるスーザン・クーパー(メリッサ・マッカーシー)はオフィスで相棒の現場出でているスパイ、ブラッドリー(ジュード・ロー)にコンピューターで指示を出しているかたわら、彼にちょっと惹かれている。あるミッションが終わり、二人で食事に行っても、スーザンの思うようにはならずじまい。次の仕事で、世界を危険にさらすほどの爆弾を回収するためのミッションについたと思ったら、彼は悪の親玉の娘、レイナ(ローズ・バーン)に殺されてしまう。そしてその組織には他の現場に出ているエージェントたちの写真と情報が漏らされているため、新しいエージェントが必要だった。スーザンはブラッドリーのため、レイナへの復讐を誓い、自分の身元が割れてないからと自ら潜入へと立候補しする。ブラッドリーのエージェント仲間で、ライバルでもあったフォード(ジェイソン・ステイサム)も含め、誰もが反対したが、すぐにボスがスーザンの過去の映像を発見し、現場へ赴くことになる。スーザンが現場についたらなぜかフォードも来ていて、彼の助けを借りながら、パリからローマと世界を救うためと相棒の敵への復讐に燃えてスーザンは大捜査に挑む。

レビュー

2015年にどんなスパイ映画があったか覚えていますでしょうか?『007/スペクター』の”ホンモノ”を筆頭に、ちょっとグロいながらも爽快なパロディコメディ的な『キングスマン』、スタイリッシュで知的なバディ・アクション『コードネームU.N.C.L.E』が日本の劇場での大変賑わいを見せた年です。『SPY/スパイ』もこの類の一つ。こちらはコメディの比重がここに挙げた映画よりも大きく、それにも負けず、アクションもかっこよく、かつ、ステイサムとジュード・ローという日本でも人気の高いスターを擁しています。メリッサ・マッカーシーとローズ・バーンもアメリカではかなり知名度が高いはずですが、日本ではまだいまいち、しかし、この映画を見れば一目瞭然でとても面白く、コメディの才能があることがわかるでしょう。監督は新『ゴーストバスターズ』でこれから日本でも大きく知れ渡るかもしれませんが、『ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン』で既に如何なく才能を発揮していることは映画ファンならご存知かもしれません。なぜこの映画が日本で劇場公開されなかったのかは疑問で仕方ありません。しかし今となってはもう日本でも見られるので良し!

では、『SPY/スパイ』の見どころをキャストごとに紹介しましょう。

『SPY/スパイ』主な登場人物

主演メリッサ・マッカーシーasスーザン・クーパー

彼女が今作で何よりも良い仕事をしているなと思わせてくれるのが、二面性を見せてくれるところです。職場ではいつも軽いセクハラ・パワハラされ気味の”ただのおばちゃん”から、言葉もアクションもブチ切れなバッドアスなスパイになるところです。スーザンのただのおばちゃん具合が的確で、バイト先や職場に一人はいていじられ役な誰もがどこかで見たことあるようなおばちゃんなんです。セクハラ・パワハラしてくる上司も同僚も敵もバカすぎるので、マッカーシーのツッコミがじわじわと響いてきます。

同じく内勤の親友のナンシーとの地味な女子会的な会話はおそらくほぼアドリブなんですが、バカギャグでバカ笑いと取るではなく、ちょっぴり下品でクスりと笑える、そんな控えめながらも楽しい笑いです。そして後半に突入してくると、スーザンはスパイのコツをつかんできたのか、急にブチ切れキャラに豹変してゆきます。ここからは彼女のアクションが炸裂。メリッサ・マッカーシーなのでブチ切れのかなり強い言葉遣いで、敵を罵倒するのはなんとなくわかってましたが、こんなぽっちゃりなおばちゃんのアクションは正直来ると思ってなかったので、新鮮味もあり楽しめました。ステイサム級のキレキレでかっこいいアクションをやるのです。スタントダブルでしょうが、そんなことはどうでもよくて、面白いのにしっかり強くて有能なスパイを見せられると、誰でも気分は上がるでしょう。
彼女はおばちゃんモードでもブチ切れモードでも嫌味はなく憎めないむしろ可愛げがある、そんなキャラクターです。

ジュード・ローasブラッドリー・ファイン

皆さんご存知のジュード・ロー。こちらのポスターでも「あなたを虜にするスパイ」と言われている通り、見た目だけはこの映画でも超がつくほどハンサムです。007のジェイムズ・ボンド並みに敏腕スパイでアクションもスマートでとてもかっこいいのですが、このキャラの面白いところは、どこまでもアタマのねじが抜けまくってるすっとぼけキャラなのです。冒頭の登場シーンから彼がかっこよすぎて、画面から目を離せなくなりますが、すぐに大事なところで、くしゃみと同時に引き金を引いて生け捕りにすべきな悪人を殺害してしまったり。基本見た目だけのカラッポおバカさんなのです。

ジェイソン・ステイサムasリック・フォード

みんな大好きステイサム。アクション超大作から午後ロー級アクション映画までこなす英国が誇るアクションスターの彼。ジェイソン・ステイサムは大体どんな映画でも「最強の肉体で口下手、口を開けば言葉が悪い」、そんなキャラクターを演じていますよね。この『SPY/スパイ』ではそんな彼のありがちなキャラクターの強さはそのまま、そこに口の悪さを10倍にして、知性を一切なくしてバカ度と100プラスしたようなキャラクターです。ジュード・ローのブラッドリーが007のパロディだとすれば、フォードというキャラクターはジェイソン・ステイサム本人の演じるキャラのパロディといえるでしょう。口の悪いステイサムはいつものことですが、あのいつもガンつけステイサムフェイスでおつむの悪いことを言ってるのを見るとついつい笑ってしまいます。

ローズ・バーンasレイナ・ボヤノフ

『ブライズメイズ』を見た方はご存知でしょうが、アメコミファンの方は『X-MEN:アポカリプス』でプロフェッサーが惚れてたあのキャラの女優です、といえば思い出す方は多いのではないでしょうか。『SPY/スパイ』での彼女は、完全に悪役です。悪役がヒーローを翻弄するのが、ごく一般的な構図ですよね、もちろんその構図もあるのですが、彼女は何かとCIA側の人間に翻弄ます。特にスーザンとその親友で同じくデスク勤務だったエージェントのナンシーにはガンガン振り回されます。レイナは悪役なので口が悪いながらも育ちが良いようで、感覚がほぼ一般人のスーザンとナンシーには手を焼きます。二人のアラフォーおばちゃんたちを相手に手を焼いてお説教もしちゃう悪役の美女という、状況それ自体も笑えますが、おばちゃん二人がアドリブでガンガンレイナをもっと困らせるのも素晴らしいです。

他のキャラもみんな面白い!

スーザンと女性同士のバディを組む同僚のナンシーを筆頭に、パワハラ気味なCIAのちょっと想像力にかけるボス、イタリア支部からのスケベなお助けエージェント、メンタル弱すぎなレイナのボディガードなど魅力的で笑える脇役たちにも注目です。メインストーリーにはあまり関わりませんが、見た後にでも思い出して笑える小ネタが脇役キャラたちにも詰まっています。

見逃せないカットシーンやNG集などの特典映像

エンドクレジット中にちょっと入っていない限り、DVD/BDを買ってもあとでいいやとか、レンタルならなおさら観ずじまいになりがちなカットされたシーンやNG集ですが、『SPY/スパイ』本編を気に入ったら、この特典映像はすべて見ることを強くお勧めします。本編と全く変わらないクオリティの面白さです。そしていかにアドリブが多いかを知って、改めて本編の面白さに感謝できます

まとめ

『SPY/スパイ』は監督と主演が同じ、新『ゴーストバスターズ』が好きだった方はマストチェックで、そうでなかった方も、こちらなら自信を持ってお勧めできます。まだご覧になってない方も、こちらならレンタルビデオにももう置いてあるはずですし、オンラインレンタルでもよいでしょう、こちらを見てから『ゴーストバスターズ』を見るかを決めてもよいと思います。『SPY/スパイ』はコメディが好きならば、スパイものが好きならば、映画が好きならば、楽しめる映画です。ぜひチェックしてみてはいかがでしょうか!

Writer

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Nao C.V.Nao Goto

パンクロックと映画が好きです。ストレートエッジになりたいのに、ストーナーフィルムに憧れています。ヴィーガンです。スタンドアップコメディアンもやってます。