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ジェレミー・レナー、全編AI製作のアニメ映画でナレーション ─ 「AIは創造性の代替ではなく、未来への夢を描く記憶の延長」と製作者

東京コミコン2018 ジェレミー・レナー
© THE RIVER

『アベンジャーズ』シリーズのホークアイ役で知られるジェレミー・レナーが、AI(人工知能)のみで製作された初の長編となるアニメーション映画『Stardust Future: Stars and Scars(原題)』でナレーションを務めることが明らかとなった。米Varietyが報じている。

本作は宇宙の起源から2080年までの物語を描き、レナーはナレーターの「時の預言者」を演じる。監督は、ドキュメンタリー映画『Chronicles of Disney(原題)』でレナーとタッグを組んだイー・ジョウが務め、2025年11月に米国で劇場公開予定だ。

ロサンゼルスとローマ、香港を拠点とするジョウは、映画・音楽・AIコンテンツを網羅する総合プロダクション会社Into the Sun Entertainmentを設立。本作では2Dと3Dのアニメーション技術を融合させており、この独自の物語アプローチを商標登録しているという。AIを用いる形でこの複合アニメーションスタイルで全編を製作した長編作品は存在しないと、Into the Sun Entertainmentは主張している。

本作は、ゴッドフリー・レジオ監督の『カッツィ』シリーズと作曲家フィリップ・グラスからインスピレーションを受け、気候危機や紛争、死、そして人間の意識を哲学的な視点から考察し、進化するテクノロジーが自然とバランスを取りながら共存できるかを問いかける内容という。

音楽は、ジョウ自身の作曲と故エンニオ・モリコーネの音楽を組み合わせ、Into the Sun Collectiveが再アレンジしたものを使用。ファッションデザイナーのダイアン・フォン・ファステンバーグも、本作に3Dデジタルレンダリングで登場する。また製作会社は、本作にてアカデミー賞の複数部門(長編アニメーション賞、作曲賞、歌曲賞、音響賞、編集賞、視覚効果賞など)へのキャンペーンを展開する予定だ。

映画の収益の一部は、里子を支援するレナーの財団「Rennervation Foundation」と、2025年1月に発生したカリフォルニアの山火事の影響を受けたエンターテインメント業界の従事者を支援する、映画テレビ基金の2つの慈善団体に寄付される予定だ。近年、レナーは創作活動と並行して、慈善活動にも力を入れている。

ジョウは映画のコンセプトについて、「これは、人間の回復力と機械の想像力が交差して生まれた映画です。AIに私たちの過去を語り、未来を見せてほしいと頼みました。私とチームはAIを創造性の代わりではなく、人類が壊してしまったものを癒し、私たちが未来へと向かう姿を夢見るための記憶の延長として使いました」と語っている。

足元では、AIを活用した作品が増えている。トルコでは世界初のAI生成ドラマ「キャッスル・ウォールズ(英題)」の予告編が公開されて話題を呼んでいる。

Source:Variety

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Hollywood

ロサンゼルスに11年在住していた海外エンタメ翻訳家/ライター。海外ドラマと洋画が大好き。趣味は海外旅行。海外ドラマDIVEを運営。

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