「ストレンジャー・シングス」アメリカに2100億円超の経済効果もたらす ─ コンテンツ産業に莫大な影響

Netflixの大人気シリーズ「ストレンジャー・シングス 未知の世界」(2016-)が、シリーズ開始以来、米国で14億ドル(約2,180億円)の経済効果をもたらしたことがわかった。米Varietyが報じている。
3部構成のシーズン5で完結を迎える「ストレンジャー・シングス5」はVOL1(第1~4話)の配信から1カ月も経たないうちに、すでに全シーズンの累計視聴数が12億回を突破。これはシリーズ全体の視聴回数として、「ウェンズデー」や「イカゲーム」をも上回る、Netflix史上最多の記録となる。
本作は視聴面にとどまらず、コンテンツ産業全体にも莫大な恩恵をもたらしてきた。2016年以降、「ストレンジャー・シングス」は米国内で8,000以上の制作関連雇用を創出し、米国のGDP(国内総生産)に14億ドルを貢献したという。特に、主な撮影地であるジョージア州では、2,000社以上のベンダーが制作に関与し、同州GDPへの貢献額は6億5,000万ドルに到達。次いで、カリフォルニア州GDPにも5億ドルをもたらしている。
音楽面での影響力も特筆すべきものだ。シーズン4で使用されたケイト・ブッシュの楽曲「Running Up That Hill」は、リリースから38年を経て初めて全米トップ10入り。メタリカの「Master of Puppets」も、初めて英国トップ10にランクインした。シーズン5でもその効果は続いており、Z世代を中心にダイアナ・ロスの「Upside Down」が1,250%増、ティファニーの「I Think We’re Alone Now」が880%増と、ストリーミング数が大きく伸びている。
そのほか、関連書籍やコミックなどの出版物は、米国だけで累計販売数310万部を突破。体験型イベント「Stranger Things: The Experience」は2022年のスタート以来、ロサンゼルス、ニューヨーク、サンフランシスコ、アトランタ、ロンドン、パリ、ブラジル、オーストラリアなどで延べ85万人を動員。さらに、シーズン5に連動したイベントも各国で展開されている。
また、前日譚を描く舞台『ストレンジャー・シングス:ファースト・シャドウ(原題)』は2023年にロンドンのウエストエンドで初演され、2025年にはブロードウェイにも進出。米国ではトニー賞4部門、英国ではオリヴィエ賞とアウター・クリティクス・サークル賞をそれぞれ2部門受賞するなど、高い評価を獲得した。
本作の影響力はコンテンツビジネスの枠を超え、消費行動にも及んでいる。作中でイレブン(ミリー・ボビー・ブラウン)の好物として登場した冷凍ワッフルブランド「エゴ(Eggo)」は、2017年第4四半期に14%、2018年1~4月期で9.4%の売上成長を記録。作中で頻繁に登場するテーブルトークRPG「ダンジョンズ&ドラゴンズ」への関心も、シリーズ開始以降673%増加したとされる。
なお、「ストレンジャー・シングス」シーズン5のVOL 1は、配信から25日間で1億260万回の視聴数を記録している。12月26日のVoL 2(第5~7話)、1月1日のフィナーレ(第8話)配信後にさらに視聴者数を伸ばし、2026年第1四半期には歴代人気ランキング入りが確実視されている。
「ストレンジャー・シングス 未知の世界 5」VOL 1(第1~4話)は11月27日より配信中。VOL 2(第5~7話)は12月26日、そしてフィナーレ(第8話)は2026年1月1日に配信予定。
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Source:Variety





























