『スーサイド・スクワッド』早くも大荒れ!相次ぐ低評価にファンが抵抗、ワーナーの暴走も暴露される
DCエクステンデッド・ユニバースの第3作『スーサイド・スクワッド』が、公開を今週末に控えたアメリカで早くも波乱を呼んでいる。きっかけは一足早く作品を観た批評家たちが作品の悪評をウェブに公開したことだ。
相次ぐ不評、ファンの抵抗
それにしても『スーサイド・スクワッド』のアーリー・レビューには容赦ない言葉が並んでいる。
バラエティ誌が「ジョーカーとハーレイ・クインは当たり役だが、ストーリーが雑だし無意味」と評したほか、ヴァニティ・フェア誌は「ひどい。面白くない。どうしようもない。アーティストが果敢に挑んで失敗した結果だとか、そういうダメさでもない」と記している。タイム誌に至っては「とっくに死んでる映画」とバッサリ。ただし多くのレビューが、ハーレイ・クイン役のマーゴット・ロビーをはじめとした俳優陣には好印象を示していることに注目すべきだろう。
有名批評サイト「Rotten Tomatoes」のメーターも現時点で31%と低評価で、すでにネガティブな反応が多くみられる。このままでは多くの批判を浴びたDC映画の前作『バットマン vs スーパーマン』の27%にも迫りかねない。
しかし、この事態に憤ったのはDCコミックスのファンだった。熱狂的なファンのひとりが、署名・要望サイト「change.org」でRotten Tomatoesの閉鎖を訴えたのである。代表者のAbdullah Coldwater氏はこう呼びかけている。
我々にはサイト(引用者注:Rotten Tomatoes)を閉鎖する必要がある。なぜなら批評家たちは『バットマン vs スーパーマン』や『スーサイド・スクワッド』といったDCエクステンデッド・ユニバース作品にいつもひどいレビューを寄せるからだ。たとえ本当はすぐれた映画だったとしても、それらは人々の意見に影響を与えてしまう。
この訴えには早くも1万7千人以上が署名しており、すでにchange.orgは集まった署名をRotten Tomatoesに届けたようだ。どんな反応があるのか、それともスルーされるのかは今後の動向に注目したい。
監督は語る
『スーサイド・スクワッド』を撮ったデヴィッド・エアー監督は、自身のTwitterで厳しいレビューに反応している。
Prefiero morir de pie que vivir de rodillas – Emiliano Zapata
— David Ayer (@DavidAyerMovies) August 2, 2016
Zapata quote is my way of saying I love the movie and believe in it. Made it for the fans. Best experience of my life. ❤️
— David Ayer (@DavidAyerMovies) August 2, 2016
エアー監督は、メキシコ革命の指導者であるエミリアーノ・サパタの名言「ひざまずいて生きるより、立って死ぬほうがいい」を引用し、「サパタの言葉はこの映画を愛し、信じる僕の気持ちだ。ファンのために作った映画だよ。人生で最高の経験だった」と書いている。
レビューに不評が多いのは気になるところだが、肝心なのは観た人それぞれがどう思うかだ。実際の作品を自分の目で確かめるまで、判断するのは早いというものだろう。
関係者が突然の暴露
ところがレビューが公開されるのと時を同じくして、ハリウッド・レポーター誌が気になるニュースを報じている。関係者が『スーサイド・スクワッド』の製作に関する裏事情を匿名で暴露したのだ。
関係者は『スーサイド・スクワッド』がタイトなスケジュールで製作されたことを明かしている。エアー監督は脚本を6週間で執筆し、そのまま撮影に入ったという。理由は公開日が最初に決まっていたからで、ビジネス的な理由から公開日をずらすことはできなかったようだ。その人物は、もっと時間があれば作業全体がより良くなったことを示唆した。
2つのバージョンが同時に製作される事態
エアー監督に高予算のアクション映画を監督した経験がないことは、当初からワーナー・ブラザーズ社の幹部をナーバスにさせていた。『バットマン vs スーパーマン』の悪評が出てからは『スーサイド・スクワッド』をなおのこと不安がったという。
ワーナー幹部は『スーサイド・スクワッド』を(予告編のような)明るく楽しい映画にすることを重要視していた。しかしエアー監督がその思惑に合わない編集をしていたのだろう、ワーナーは予告編を作った会社に本編の別バージョンを作らせたという。関係者によれば監督編集版と別バージョンはどちらも試写されており、その感想をもとに妥協点を探る作業が行われたようだ。その過程で追加撮影も行われたということだが、ハリウッド・レポーター誌は「別バージョンが勝った」と記している。
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