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結局恋愛って何?小悪魔系女子、サマーの女心を徹底分析してみた【500日のサマー】

最近、映画好きな男友達にこんな質問をしてみました。「今まで観た映画で、”女って分かんないな〜”っていう作品ある?」って。絶対答えはあの映画が返ってくる!と予想しながら。
「うーん、やっぱり”500日のサマー”かな!」

私の予想通り!「やっぱりあの映画のサマーの行動は、男性と女性の視点だとかなり違うんだろうな」と改めて納得。

恋に奥手な男子、トムくんと 美人で自由奔放、一風変わったサマーちゃんの500日にわたる恋の物語。サマーちゃんにトムくんがブンブン振り回される物語なわけですが 好きな恋愛映画なとしてあげる人も多くいらっしゃると思います。

「500日のサマー」、男性から観ると「あんなに好意を寄せてくれる男のことを散々な扱いするなんて・・・すごいビッチだな!でもサマーかわいい」女性から観ると「トムの気持ちも分かるし、でもサマーの気持ちも分かる」そんな映画なのではないでしょうか。今回はこのサマーという女性からみる女心を、各シーンを振り返りながら(勝手に)分析していきたいと思います!

「私のこと・・・好き?」

サマーがトムの同僚になり、カラオケパーティーの帰りにトムに問いかけるシーン。こんな事聞かれたら、「俺のこと好きなのかな?」と意識してしまう男性も少なくないのでは。

このパーティーでサマーはこんな事を言っています。「誰かの彼女とか、所有物になるなんてのは嫌なの。しっくりこないの。愛なんて幻想よ!」かなり冷め切ったご意見ですが、サマーは心の底からそう思っているわけではありません。確かにその時”恋愛する気分”ではなかったのでしょうし、”ま、そんな恋なんてうまくいかないっしょ(笑)”という風に思っていたのは事実でしょう。

でも”愛なんて幻想よ!”と本当にそう思っている女性はそうそういないと思います。サマーも例外ではないはず。なのになぜそんな可愛げがない事を言えるのか?それは簡単です。トムにビビッとこなかったからです。だいたい最初に”この人素敵!”と思ったら、”私恋愛なんてどうでもいいわ”なんてことは言いません。

でもそのパーティーでサマーはトムのことを”別に好きじゃないけれどキュートだし、自分(サマー)の事良いと思ってくれてるっぽい”男の子として認識します。それで出た台詞がこれ。

「私のこと。好き?あなた面白いと思って。友達になれるといいなって思ったの。」

完全にトムをキープくんにする気満々ですね。しかし!サマーに好意を寄せ始めたトムも「きみのことを友達として好き」と伝えるじゃないですか。ここで「いや、友達としてかは分からない・・・もっと君のことをよく知りたい。」ぐらいの事を言っていたらサマーも何か心は動かされていたかもしれないのに!そして家までサマーを送っていれば何か変わっていたかもしれないのに!女心をわかっていませんね、トムくん。

コピー機の前でのキス

このシーンはかなりびっくりした方が多いのではないでしょうか。「えっいきなり!?」「会社でキスすんの!?」と数々のツッコミが聞こえてきそうなこの名シーン。
サマーはこのキスで、完全にトムの気持ちを持っていったと言っていいでしょう。サマーの気持ちは、この時は”まあいいと思っている男の子”程度です。別に完璧に惚れているわけではありません。

女の子って”彼氏が欲しい!”っていう気持ちよりも、”デート相手が欲しい!”ていう気持ちが生まれる事のが多いのです。キスにせよ、セックスにせよ・・・女の子として、女性として求められると嬉しくて、自分のある種の自信に繋がったりもするのです。
「でも好きじゃないんでしょ?じゃあなんであんな事やこんな事をするの?コピー機の前でのキスや、シャワーセックスなんか」それはサマーが”完璧にトムの事を好きじゃないから”です。

これは男性も女性もだと思いますが、本当に好きな人に対しては臆病になるもの。嫌われたくない、こんな所見せたくない・・・でもどうでもいいと思っている相手にはそんな事考えてないですよね。本当に好きな人にコピー機の前でキスなんかしません。もっとじっくり、タイミングを見て、ロマンチックな所でしたいはず。
別にどう思われてもいいし、後で関係が壊れても気にしないから “キープくん”だからこそ大胆な行動がとれちゃうわけです。

映画を観てまさかの号泣

劇中で2人が映画「卒業」を観るシーンがあります。「卒業」といえば 若く恋する2人が逃走した後に、バスの中でひどく不安そうな表情を浮かべるラストシーンが有名。そのシーンを観てサマーは号泣します!それまであっけらかんとしてなかなかの冷淡っぷりを発揮、何を考えているか分からない女の子だったのに感情大爆発。

最初にサマーは”愛なんて幻想よ、って言ってるけど心の底からそう思っている訳ではない”というお話をしました。そのサマーの気持ちは、このシーンに繋がります。
サマーのような女の子だって本当は、ハッピーエンドの恋愛を期待するし”いつかは心から愛する人と・・・”と夢見ている気持ちもあります。しかしこの「卒業」のラストシーンを見て、「やっぱり恋愛って幸せになれない!私も本当に恋できるか分からない!ずっと1人だったらどうしよう!」と感情を揺さぶられ、不安になってしまったわけです。

そこでトムが止めの一言「ただの映画だよ。」いやいやそういう言葉を期待してるんじゃない!ただの映画だからいいってわけじゃない!とサマーは「やっぱりトムっていまいちだわ!」という気持ちがまた膨らんだはず。ここで正解なのは「(ハンカチを差し出して)大丈夫?この「卒業」の2人もいろいろその後あるだろうけれど、なんとか幸せに暮らしていくはずだよ」 などです。

なぜ思い出の場所で待っていたか

とにかく2人はいろいろあって、よくわからないセフレの関係も終了。サマーはトムの知らない男性とスピード婚を決めます。あんなに運命なんて信じないと言っていたのに・・・自分の方が長いこと一緒にいたのに・・・トムの心は矢が刺さりまくりの落ち武者状態。でもサマーも言っている通り「あなたにはピンとこなかったけれど、その人にはピンときた」それだけのことなのです。

それなのにぜトムとの思い出の場所にいたか?サマーも心の奥底では、トムを好きだった気持ちが少しでもあったのでしょう。恋愛というより、友達というより、自分のことを好きでいてくれた”トム”という存在を。そして結婚した今、「運命の恋はあるよ!」と言っていたトムがふと懐かしくなり 思い出の場所を訪れたのでしょう。トムと再会して、お互いにけじめをつけ 改めて別々の道を進むために。

恋愛で「なぜこんなに思っているのに自分のことを好きになってくれないのか」という切ない感情に見舞われることは誰でもあるかと思います。しかし、この「500日のサマー」も教えてくれている通り「恋愛はお互いの気持ちがあってなりたつもの。こっちが好きだからといって、向こうも好きになってくれると期待してはいけない。好きにならないものはもう仕方ない」ということです。

恋愛の現実をポップにコミカルに容赦なく突きつける「500日のサマー」!私の勝手な分析でお送りしてしまいましたが、いかがでしたでしょうか。男性は女の子の気持ちを知るのに、女性はモテるコツを学ぶのにぴったりな映画とも言えます。ぜひ恋愛に迷った時、そもそも恋愛って何なのか分からなくなった時、改めてご覧になってみて下さい!

Writer

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Moeka Kotaki

フリーライター(1995生まれ/マグル)

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