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『スーパーマン』孤独の要塞、結晶は全て樹脂製「東海岸の樹脂をすべて買い占めた」 ─ デザインに6ヶ月、建設に16週間

スーパーマン
(c) &TM DC(c)2025 WBEI

新DCユニバースの映画第1弾『スーパーマン』でジェームズ・ガン監督がこだわったのは、できるかぎりCGではなく実写で撮影することだった。スーパーマンの秘密基地である、氷に閉ざされた「孤独の要塞」も、なんと実物のセットが製作されていたという。

Varietyにて、プロダクション・デザイナーのベス・ミックルが「孤独の要塞」の制作秘話を語った。『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』(2021)『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』(2023)に続いてガンとタッグを組んだミックルだが、最も挑戦的なセットのひとつだったと語る。

リチャード・ドナー版『スーパーマン』(1978)では、クラーク・ケントが緑色に輝く結晶を雪の中に投げ込むと、結晶が沈んでいき、地面から氷の要塞が姿をあらわすシーンがあった。ミックルは「オリジナル版にオマージュを捧げつつ、観客を満足させなければいけない」というプレッシャーを感じつつ、新たな要素を取り入れたいと考えたそうだ。

本作における「孤独の要塞」の登場シーンは、早くに公開されたプロモーション映像でも明らかになっていた。

スーパーマンが愛犬クリプトに引きずられると、雪原のなかから「孤独の要塞」があらわれる──このシーンが撮影されたのは、北極圏にあるスヴァールバル諸島。外観を構成する242もの結晶はすべて実物であり、CGは地中から現れる動きをつくりだすためだけに使用されたという。

劇中に登場する結晶はすべて樹脂からできているもの。ミックルが「2023年に東海岸にあった樹脂はすべて買い占めた」というほどの物量が使用されているが、それでも「CGでセットを作るよりは安かった」そうだ。もちろん、要塞内部の床や結晶、コンピュータのダッシュボード(計器盤)などもすべて実物が製作されている。

セットの完成までに要した期間は、デザインに6ヶ月、建設に16週間。映画の冒頭を飾る印象的なショットには、見えざる創造と努力があったのだ。

映画『スーパーマン』は公開中。

Source: Variety

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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