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「SXSW 2020」オンラインで映画賞の審査を実施 ─ イベントの開催中止を受けて

映画・音楽・テクノロジーの大規模フェスティバル「SXSW(サウス・バイ・サウスウエスト) 」が、2020年のイベント開催中止を受けて、オンライン上で映画賞の審査を実施することを決定した。「SXSW 2020」は、3月13日~22日に米テキサス州オースティンで開催される予定だったが、国内での新型コロナウイルスの感染拡大により、やむを得ず中止となっていた。

SXSW映画祭には、例年、完成度の高いインディペンデント作品が数多く出品され、業界で大きな注目を集めている。それゆえにSXSW 2020の開催中止は、これをきっかけにキャリアの躍進を目指すフィルムメーカーに大きな動揺をもたらすものだった。

オンラインで審査が行われるのは、長編映画賞・長編ドキュメンタリー映画賞・短編映画賞・短編ドキュメンタリー映画賞・短編アニメーション映画賞・ミュージックビデオ賞などの審査員賞12部門と、特別賞6部門。映画祭そのものは実施されないが、例年同様、SXSWに選出された長編映画はインディペンデント・スピリット賞に、短編映画賞・短編ドキュメンタリー賞・短編アニメーション賞の受賞作品はアカデミー賞に適格とみなされる。

制作者側が参加を許諾した作品は、一般の観客には公開されないものの、審査員のほか、マスコミやバイヤー、業界関係者などを対象にオンラインで公開される(公開範囲は各製作者に委ねられる)。なお、作品の公開時期は3月13日~21日、受賞作品の発表は3月24日(いずれも米国時間)だ。

SXSWディレクターのジャネット・ピアソン氏は、発表にあたり、「我々が愛する作品や、SXSWでの発表に信頼を置いてくださった作り手の方々を支援する方法を考えてきました」との声明を発表した。「多くの方々が、SXSWの出品作品のために数年間を費やしています。イベントの中止によって、フィルムメーカーは立ち往生し、混乱する状態にありました」。また、このたびオンラインでの審査という形式を選んだことについては「ユニークで優れた観客のいるイベントの代わりになるものではない」としながら、「しかし少なくとも、素晴らしい作品に注目が集まる機会にはなります」とコメントしている。

なおピアソン氏は、SXSWに映画業界から多くの支援が寄せられていることに感謝を表明。「SXSW2020の公式選出作品とフィルムメーカーのみなさんを支援する方法を模索し続けていく」との方針を改めて記した。

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Source: Deadline

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。