『ターミネーター:ニュー・フェイト』T-800、なぜ年を取ったのか ─ サイボーグがおじいちゃんになる理由、ジェームズ・キャメロンが解説

アーノルド・シュワルツェネッガー主演『ターミネーター』シリーズの最新作『ターミネーター:ニュー・フェイト』は、傑作『ターミネーター2』(1991)の正統なる続編映画だ。シュワちゃん演じるT-800、そしてリンダ・ハミルトン演じるサラ・コナーが、当時から28年ぶん年を重ねた姿でスクリーンに帰ってくる。
ところで、本シリーズの顔として『ターミネーター3』(2003)や『ターミネーター:新起動/ジェニシス』(2015)にも登場したT-800は、なぜアンドロイドにも関わらず老け続けているのか。いささか野暮な問いかけにも思われるが、シリーズの生みの親であるジェームズ・キャメロンは、米Colliderのインタビューにて設定の事実を明らかにしている。
「1作目に全部入っていますよ。(T-800は)汗もかくし、息も臭う。彼はサイボーグ(cyborg)ですが、“org”の部分は“オーガニック(organic)”。外側は肉体が覆っています。彼の外側は生き物なんです。だから彼は、身体の有機的な部分を維持するために食事を摂らなければいけない。体重で言えば全体の30%ほどかもしれませんが、確かに人間の肉体がありますからね。科学的にはデタラメですが、クールなアイデアじゃないですか?」

もっとも、これはシリーズ化にあたっての後付けではない。キャメロンはシリーズ第1作『ターミネーター』(1984)の時点でこの設定を考案しており、それゆえ「(1作目の)ラストで彼の肉体は腐っている」というのだ。「男がドアを叩いて、“なあ、死んだ猫でもいるのか?”と言う場面で、彼の肉体は腐り始めています」。すなわちターミネーターたちは、本来そなわっているサイボーグとしての機能よりも先に、人間としての肉体が先に失われていくのだ。
「生き物の仕組みとして、遺伝子学的に特別に操作されてでもいない限り、年を取ることは避けられません。だから、彼の見た目は年を取る。だけど、内側の骨格は原子力やらなにやらで動いているので……第2作で、彼は120年動けると言っていたように思いますね。だから肉体は死に、最後には腐り落ちますが、彼はその後も骨格だけで動くことになるんです。」
ちなみにキャメロンは、「もっと大きな謎は、長い時間に耐えられる骨格の部分がどうやって作られたのかということ」だと述べつつ、「それはまた別の話」だと言っている。
映画『ターミネーター:ニュー・フェイト』は2019年11月8日(金)より全国公開中。
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