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タランティーノ、自身最高傑作は『イングロリアス・バスターズ』 ─ 「『ワンハリ』はお気に入り」

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』ジャパンプレミア レッドカーペット
© THE RIVER

クエンティン・タランティーノ監督作品のファン、その中でもこの作品が好き!とマイベストを掲げる映画ファンは多いだろう。タランティーノ本人にとっても、自身の作品の中で特にお気に入りのものがあるようだ。

Podcast番組”The Church of Tarantino”出演時、「これまで製作してきた中で、どの作品がベストだと考えていますか?」と尋ねられたタランティーノ。気になる質問に、「『イングロリアス・バスターズ』が最高かなと思います。『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』はお気に入りって感じ」と返している。

『イングロリアス・バスターズ』(2009)は、かつてドイツ軍の大佐(クリストフ・ヴァルツ)に家族を皆殺しにされたユダヤ人のショシャナ(メラニー・ロラン)がナチスへの復讐を企て、連合軍のアルド(ブラッド・ピット)率いる極秘部隊イングロリアス・バスターズの思惑と交わり、想像を超える展開へと発展する戦争ドラマだ。

対する『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(2019)は、人気が低迷したテレビ俳優のリック・ダルトン(レオナルド・ディカプリオ)がスタントマンのクリフ・ブース(ブラッド・ピット)の助けを借りながら映画スターとしての再起を図り、1969年に実際に起こった「シャロン・テート事件」と交錯していく物語。双方とも、史実を背景に置きながら、独創性なプロットや、豪華キャストの魅力に溢れる作品で、どちらもブラッド・ピットが出演している。

タランティーノは、作品への独自の解釈や思い入れを以下のように続けている。

「究極のクエンティン映画は『キル・ビル』だと思っています。他の誰も今まで作ってこなかったようなものですから。その全ての要素が、私の想像力やアイデンティティ、愛や情熱、そして執着から、触手や血まみれの組織のように切り取られたようなものです。ですから『キル・ビル』は、これを作るために私が生まれてきたとも言える作品だと思います。」

また、自身が手がけた脚本については「『イングロリアス・バスターズ』が最高傑作。その次に続くのが『ヘイトフル・エイト』と『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』」と回答している。『キル・ビル』についても良い脚本だと思っているものの、脚本単体というよりは製作全体で作品を捉えているようだ。

「『ヘイトフル・エイト』には私の監督業における最高傑作と思える部分があるんです。つまり、題材はすでに出来上がった、しっかりしたものであるということ。『キル・ビル』のように自分で創り上げる必要がないんですよ。しっかりとしたものが、もうすでにそこにあるんです。そして私は監督として、作品へ最高の奉仕をした思っています。」

夫やお腹の子どもを殺されてしまった元エージェントのザ・ブライド(ユマ・サーマン)が復讐を果たすために壮絶な戦いを繰り広げる『キル・ビル』シリーズも、雪嵐のため山小屋に閉じ込められたワケありの男女8人が、そこで起こる殺人事件をきっかけに、意外な真相を明らかにしていく『ヘイトフル・エイト』も、毛色は違えどタランティーノ節が効きまくった個性豊かな作品だ。監督、脚本家、時には演者としてタランティーノが作品へ向ける視点は非常に興味深い。今回タランティーノが挙げた作品にあなたのお気に入りはあっただろうか?

Source:The Church of Tarantino

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Yuka ShingaiYuka Shingai

携帯向け音楽配信事業にて社内SE、マーケティング業務に従事した後、妊娠・出産を機にフリーライターに転向。 映画とお酒と化粧品が好き。日課のオンライン英会話でもしょっちゅう映画の話をしています。

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