タランティーノが役者として映画出演、サイモン・ペッグと共演へ ─ 「役にピッタリだったからオファー」
『パルプ・フィクション』(1994)や『キル・ビル』シリーズなどで知られるクエンティン・タランティーノ監督が、映画『Only What We Carry(原題)』で『ミッション:インポッシブル』シリーズのサイモン・ペッグと共演していることが明らかとなった。タランティーノにとってカメオではない映画出演は、『フロム・ダスク・ティル・ドーン』(1996)以来となる。米Deadlineが報じた。
すでにフランスのドーヴィルで撮影を終了した本作は、ノルマンディーの風吹き荒れる海岸を舞台に、「愛と喪失、そして前に進むために必要な静かな勇気を見つめる作品」と紹介されている。
『スター・トレック』のケルヴィン・タイムラインシリーズでも知られるペッグが演じるのは、かつては優秀な教師だったジュリアン・ジョンズ役。彼は、昔の教え子シャルロット・レヴァントが故郷に戻ったことで過去の亡霊と対峙することになる。タランティーノは、ジュリアンの旧友ジョン・パーシー役を演じる。ある情報筋によると、タランティーノは「その役にぴったりだったため、代理人を通じてオファーが伝えられた」という。
シャルロット役は『REBEL MOON』シリーズなどのソフィア・ブテラが演じ、『スター・トレック BEYOND』(2016)で共演したペッグと再タッグを組む。シャルロットの過保護な姉ジョセフィーヌ・シャブロル役を『午前4時にパリの夜は明ける』(2022)のシャルロット・ゲンズブール、愛と忠誠の間で揺れ動く落ち着きのない芸術家ヴァンサン役を『Ibiza(原題)』のリアム・ヘルマンが演じ、若くしてダンサーを目指すジャクリーン役でアメリカ人歌手のリジー・マカルパインが長編映画デビューを果たす。ジャクリーンの存在により、周囲の人々は過去の問題と向き合わざるを得なくなる。
監督・脚本を務めるのは、『She Is Love(原題)』(2022)などを手がけたジェイミー・アダムス。プロデューサーにはヘリマン、『Mille Heures(原題)』(2024)のチャールズ・ベノイン、『Candyland(原題)』(2013)のジュリ・スミットが名を連ねる。
即興スタイルを得意とするアダムス監督は、「ノルマンディーでエリック・ロメール風の映画を撮ることは長年の夢でした。その夢には、国際色豊かな素晴らしいキャストやスタッフとコラボレーションすることも含まれていました。インディペンデント映画の自由を受け入れることで、その夢が叶いました。この瞬間を与えてくれた『Only What We Carry』のキャストとスタッフには心から感謝しています」と語っている。
これまでにタランティーノは『フロム・ダスク・ティル・ドーン』のほか、『レザボア・ドッグス』(1991)と『フォー・ルームス』(1995)でカメオではない役で出演。カメオとしては、『ガール6』(1996)、『デス・プルーフ in グラインドハウス』(2007)、『イングロリアス・バスターズ』(2009)などに登場している。
なおタランティーノは、映画監督引退作として掲げていた企画『The Movie Critic(原題)』を中止し、次の監督作品を検討していると言われている。
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Source:Deadline






















