『TENET テネット』全世界興行収入が2億ドルを突破 ─ 長期的上映と口コミでさらなるヒット目指す

クリストファー・ノーラン監督の最新作、『TENET テネット』の全世界興行収入が2億ドルを突破したことがわかった。米Variety、Deadlineなど複数のメディアが報じている。
発表によると、『TENET テネット』の全世界興行収入は2億700万ドル。米国で2,950万ドル、海外で1億7,750万ドルという内訳となっている。2020年9月11~13日の3日間で、米国の2,910館では興行収入670万ドルを記録した。この結果は前週(公開初週末)比29%減となるため、いささか厳しい数値といえる。しかしながら、ニューヨークやロサンゼルス、サンフランシスコという主要都市の屋内映画館は営業を再開できておらず、いまだ未曾有の状況が進行中であることを鑑みれば、一連の経緯は慎重に検討されるべきだろう。なお、中国での興収成績は5,000万ドルを突破しているほか、IMAX上映の全世界興収成績は2,300万ドルとなっている。
『TENET テネット』は製作費2億ドル級の大作映画であり、世界興収4億ドルが損益分岐点となり、4億5,000万ドルに近づくと黒字に転じるとみられている。ワーナーは世界規模で長期的な上映を実施する見通しで、これを後押しするのがファンのリピート鑑賞や口コミとなるだろう。米PostTrakの調査では、観客の79%がポジティブな評価であり、49%が「とても薦めたい」と回答。別の調査では『ダンケルク』(2017)をしのぐ観客の反応も示されているほか、SNSでも主にポジティブな反応が観測されているという。
なお米ワーナー・ブラザースは、コロナ禍における大作公開というリスクを背負っての上映にあたり、興行面でのあらぬ風評被害や憶測を避けるべく、『TENET テネット』の米国興収データを日ごとに発表しない戦略を採っている。もともと10月公開だった『ワンダーウーマン 1984』が世界的に再び公開延期となったように、ワーナーは『TENET テネット』にしばらく集中することで、業界や観客の動向を察する構えのようだ。
映画『TENET テネット』は2020年9月18日(金)全国ロードショー。
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Sources: Variety, Deadline(1, 2)