『ターミネーター:ニュー・フェイト』監督、「私が間違っていた」「大失敗した」

『ターミネーター2』の正当な続編として製作された『ターミネーター:ニュー・フェイト』(2019)のティム・ミラー監督が、同作を失敗したと認めるような発言を行い、話題になっている。
『ターミネーター:ニュー・フェイト』では、お馴染みターミネーターT-800役のアーノルド・シュワルツェネッガーが続投し、さらに『ターミネーター2』(1991)サラ・コナー役のリンダ・ハミルトンが23年ぶりに再演したことで話題を集めた作品。『ターミネーター』シリーズは複数の続編や関連作があったが、いずれもパラレルワールド扱いとされ、本作こそが名作『ターミネーター2』に続く“決定版”といった立ち位置として製作された。シリーズ生みの親であるジェームズ・キャメロンが製作に復帰したことでも期待を集めた。
ところが評価は賛否両論で、米興行収入はシリーズ内で下から2番目の6,220万ドル。製作費は1億8,500万ドルで、全世界累計興収は2億6,111万ドル。製作費の3倍の興収額とされる一般的な投資回収目安金額に届かなかった。
実は『ニュー・フェイト』製作当時には新たな3部作を作るという野心的な計画があり、本作はその第1弾になるはずだった。しかし『ニュー・フェイト』が興行的苦戦にあえいだ後、続編に関する情報は聞こえてこない。
監督を務めたのは、『デッドプール』(2016)の挑戦的なアクションで脚光を浴びたティム・ミラー。『ニュー・フェイト』は監督業としては2作目だった。この度ミラーは米Colliderの企画で、同作は失敗だったと話している。
この企画でミラーは、「ジェイソン・ブラム版のような、『ターミネーター』新作映画の未来はあると思いますか?」と尋ねられ、「その質問は好かんですね」と回答。シリーズの今後について、「『ターミネーター』は掘り下げ甲斐のある映画だと思いますが、もう掘り下げ尽くしたんじゃないかな」と消極的な姿勢を示した。
『ニュー・フェイト』については、「“自分が観たい映画を作れば、うまくいくはず”という、凝り固まったオタク的思考で挑みました。しかし、私が間違っていました」と認め、さらには「悪い意味で大発見でしたね。映画は大失敗しましたから」とまで自虐している。
インタビュワーが「大失敗じゃないですよ」とフォローすると、「じゃあ、なんで誰も私の電話に出てくれない?」とミラー。どうやら、期待を一身に背負った『ニュー・フェイト』が成功しなかったことを、相当悔やんでいるようである。
なおミラーは『ターミネーター』について、優れた監督や映画スターと共に、低予算で作ると良いだろうとの見解も述べた。ちなみに同シリーズからは、映画やドラマなど映像作品に関する企画は伝えられていないものの、リアルストラテジーゲーム『ターミネーター:ダーク・フェイト ─ ディファイアンス』や、オープンワールド・サバイバルゲーム『Terminator Survival Project (仮題)』といった複数のゲーム作品が進行中。しばらくはゲーム界で話題を作ることとなりそうだ。アスタ・ラ・ビスタ、ベイビー!
Source:Collider (via Deadline)