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『ターミネーター4』もっとダークなディレクターズカット版が存在 ─ 『ダークナイト』「ウエストワールド」脚本家も参加していた

ターミネーター
※画像はイメージです

『ターミネーター』シリーズの第4作として製作された、クリスチャン・ベール主演『ターミネーター4』(2009)に、監督のマックGによるディレクターズカット版が存在することがわかった。米Comic Book Resourcesのインタビューにて監督自身が明かした。

アーノルド・シュワルツェネッガー主演『ターミネーター3』(2003)以来、6年ぶりの続編となった『ターミネーター4』は、事実上シュワルツェネッガー抜きで製作されたシリーズ初の作品。新たな3部作の幕開けになる予定だったが、興行・批評の成果は非常に厳しく、製作会社の破産によって続編企画は撤回されている。

現在、マックGは当時を振り返って「『ターミネーター』を正しくやれたと思っていたんですが、結局は大間違いだった。ファンのみなさんに手厳しくやられまして、本当につらかった」と語っている。しかし、今の心境は当時とはやや変わりつつあるようだ。

「おかしなもので、あの映画は年を重ねて良くなってきているように思うんです。実は別のバージョンがあって、僕は自分の編集版を持っているんですよ。インターネットにはそっちを観たいとおっしゃっている方もいますよね。それが面白いんです。そっちでは正しくやれたこともたくさんあったと思うので。」

キーパーソンといえるのが、クリストファー・ノーラン監督の弟であり、『ダークナイト』(2008)や『インターステラー』(2014)、近年は「ウエストワールド」(2016-)で知られる脚本家ジョナサン・ノーランだ。残念ながらクレジットされていないが、一時、ジョナサンは主な脚本家として企画に参加していたのである。かつてマックGは「ジョナサンと一番大変な仕事をした」と語り、主演のクリスチャン・ベールも、ジョナサンの脚本を気に入って出演を引き受けたことを認めたほど。しかしジョナサンはさまざまな事情から企画を離脱せざるを得なくなり、その後、複数の脚本家によって脚本はリライトされた。

マックGは「ご存知のとおり、ジョナサン・ノーランは非常にシリアスな脚本家ですし、彼はベストを尽くしてくれました。クリスチャンは今もっとも才能のある俳優だし、サム(・ワーシントン/マーカス・ライト役)もすごく良かった」と述べ、当時の関係者に賛辞を贈った。どうやらマックGによるディレクターズカット版は、ジョナサンと構想した当初のバージョンにもっと近かったのかもしれない。「あの映画については、僕自身が最終的にどう思っているのかをきちんと言わないことでダメージを与えているわけです。僕のバージョンが隠されてしまったことが答えかもしれませんね」。シリーズのファンに対しては、「もっとダークだったんですよ!(笑)それが僕に言えることです」と訴えた。

Source: Comic Book Resources, /Film, Happy Sad Confused, Critical Hit

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。