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『トップガン マーヴェリック』脚本家のいとこがスタジオを提訴 ─ 「脚本に参加したが、クレジットと報酬を受けていない」

(C) 2022 Paramount Pictures Corporation. All rights reserved.

トム・クルーズ主演『トップガン マーヴェリック』(2022)の脚本に参加したものの、自身の名前がクレジットされず、また一切の報酬を受け取っていないとして、脚本家エリック・ウォーレン・シンガーのいとこであるショーン・グレイがパラマウント・ピクチャーズを提訴した。米Varietyが報じている。

ハリウッドでVFXアーティストとしてのキャリアをもつグレイは、シンガーが脚本を手がけた『ザ・バンク 堕ちた巨像』(2009)には脚本アシスタントとして、『オンリー・ザ・ブレイブ』(2017)には脚本コンサルタントとしてノンクレジットで参加。同じく、シンガーがクリエイターを務めたテレビシリーズ「シャンタラム」(2022)にはスタッフライターとしてクレジットされている。

訴えによると、グレイは『トップガン マーヴェリック』の脚本作業にシンガーやジョセフ・コシンスキー監督とともに5ヶ月間携わり、重要な場面を含む12以上のアクションシーンを執筆。いずれも本編に採用されたことで、映画が「大ヒットした」と主張している。

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また、グレイは自らの貢献を細かく記録したタイムスタンプ付きのファイルが手元にあるとして、自分にも著作権の共同所有権があるはずで、訴訟の係属中はパラマウントが著作物を侵害しないよう差止命令を下す権利があるとした。

弁護人のマーク・トベロフは、過去にも『トップガン』(1986)の原案になった雑誌記事の著者エフード・ヨネイの家族を代表してパラマウントを提訴した人物。「才能ある脚本家でありながら、ハリウッドの権力者に操られ搾取されたグレイへの正義を求めるとともに、グレイの創造的作品を不正に利用して多大な利益を得た被告に説明責任を求める」とした。

提訴を受けて、パラマウントの広報担当者は「今回の訴訟は、以前トベロフ氏が『トップガン:マーヴェリック』の成功から利益を得ようとして起こしたものと同じく一切メリットのないものです。裁判所はこの訴えを却下するものと確信しています」とコメントした。

『トップガン マーヴェリック』には、脚本家としてシンガーのほかにアーレン・クルーガーとクリストファー・マッカリーが、原案としてピーター・クレイグとジャスティン・マークスの名前がクレジットされている。グレイの名前はそこにないが、実際に関与していたことは事実のようで、2022年にはアドバイザーのJ・J・“ヤン”・カミングスが、執筆の初期段階からグレイが参加していたことを認めている。

ただし、全米脚本家組合(WGA)は脚本家のクレジットについて具体的な条件を定めている。グレイの執筆や作業が、それらの条件に適合するかどうかは現時点で明らかになっていない。

Source: Variety

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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