『アベンジャーズ/エンドゲーム』のサノスに使われたVFX技術、『モービウス』でも活用

ソニー・ピクチャーズが贈る、『ヴェノム』『スパイダーマン』に続くマーベル最新作『モービウス』。マーベルの新たなるヴィランを描く本作でVFXを手がけたアーティストが、『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)のサノスに使ったVFX技術を活用したと明かしている。
『エンドゲーム』では多量のデジタル・エフェクトを使用してキャラクターが作成されたが、ジョシュ・ブローリンが演じたサノスをはじめとするビジュアルの数々が驚くほどリアルだった。これは、デジタルモデルをゼロから構築する代わりに、VFXアーティストが俳優を撮影セットで録画し、ドットを使用して人間の微妙な表情などを全てキャプチャした後にモデルに変換したことで実現したという。『モービウス』でVFXを監修したマシュー・E・バトラーが、本作でも同じプロセスを踏んだと説明してる。
「(ダニエル・エスピノーサ監督とVFXチームが)ステージで俳優に演じさせ、顔に印されたドットの配列を使用して、そのパフォーマンスをキャプチャし直すことに決めました。そういった微妙なもの全てをキャプチャできるヘルメットカメラや、その動きを完全に異なるクリーチャーのパフォーマンスに変換できるソフトウェアを使って。それは、サノスで非常に上手くいった方法です。」
またバトラーは、『モービウス』では天才医師マイケル・モービウスが吸血鬼のような血に飢えたヴィランに変身するため、キャラクターを人間からモンスターへ素早く切り替える必要性に迫られたとも明かしている。
「モービウスは人間のバージョンから吸血鬼のバージョンに“咲く”ことができるので、その段階にずっといる訳ではありません。彼は怒りを通じて、(その段階に)出入りすることが出来るのです。彼は異なる表情の変化に対応できる必要がありました。ひとつの解決策は、(俳優を)そのまま撮影して顔を操作することです。それは機能しますが、時には大きく外れてしまうこともあります。よって、モーションキャプチャ・データにおけるクリーチャーはかなり違っているとはいえ、その人物像や彼らの特徴に関する特異性や微妙さ、口の動きを全てキャプチャする必要があるのです。」
映画を観賞する時はモービウスが変身するシーンで、どのようなVFXやモーションキャプチャの技法が使われているのか、想像しながらビジュアルを楽しみたいものだ。
『モービウス』は、2022年4月1日より日本公開スタート。
▼ モービウスの記事
『マダム・ウェブ』不振は「マスコミが酷評したから」とソニーCEO ─ 『クレイヴン・ザ・ハンター』失敗「理解できない、悪い映画ではないはずだ」 「メディアに破壊された」 『クレイヴン・ザ・ハンター』は本当にソニー『スパイダーマン』ユニバースの最後作なのか? ─ 「終わった」「終わってない」情報を検証 情報が錯綜 『モービウス』医師役の俳優、出演の理由は「住宅ローンがあったから」 ─ 「あの映画はもっとユーモアがあれば良かった」 生活感 『モービウス』監督、「他の監督のほうが適していた」と吐露 ─ 「委員会と映画を作るのは、とても難しい」 監督として再出発 【考察】『ヴェノム:ザ・ラストダンス』予告編の謎ポイントについて どういうことなの色々
Source:CBR