『ザ・バットマン』ブルースの目元に滲んだアイメイクの意味 ─ マスク着用時のメイクを落とさずそのまま使用

映画『THE BATMAN-ザ・バットマン-』では、バットマンとしてまだ2年目の若きブルース・ウェインの戦いが描かれた。これまでのバットマン映画では見られなかった、新たな魅力が描かれている。
その魅力とは様々だが、カート・コバーンのような若くして疲弊したようなロック・アーティストをモデルにしたというブルースの人物像にも注目だ。視覚的にも特徴的だったのは、バットマンのカウル(マスク)を外した時に残る、陰鬱な印象の黒いアイメイク。マット・リーヴス監督は、ブルースがカウルを脱いだ後に残る(目元のメイクに)とてもこだわっていたと、本作メイクアップ・デザイナーのナオミ・ドニーが米Polygonにて証言している。
マスクを脱ぐシーンの撮影では、マスクオフの状態用に目元のメイクを施したわけではなく、マスク着用のメイクが崩れて残った様子を撮ったそうだ。「黒いアイメイクを落とすのは本当に大変ですし、そのまま使ったんです」とドニー。
Polygonの記事によれば、「雨のセット、汗だくのコスチューム、激しいアクション」に負けない持続力があり、かつ見栄えの良いアイメイクの実現には試行錯誤が繰り返されたという。最終的には、顔料とクリーム状のアイライナー、ペンシル、そしてリキッドペイントによって実現。その上からキラキラした顔料を乗せ、うっすらと光を反射させているそうだ。

ブルースの素顔に滲んで残ったアイメイクには、単なる視覚的な表現以上のものがある。「どんな時も、決して綺麗ではない。常にカウルの跡が残るんです。それは、コスチュームを脱いだ後もブルース・ウェインに残る、バットマンの在り方なのです」とドニーは解説する。
明言はされていないが、カウルを脱ぐシーンの直前にバットマンが退治した白塗りメイクのギャング集団のメイクとも似て見えるところにも、何か意味があるのかもしれない。つまりバットマンは、本作で主題の一つとして示されていたように、悪人たちと表裏一体の存在であり、ブルースはそんなバットマンとの精神的な折り合いが付けられていない、ということだ。
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Source:Polygon