「ザ・ボーイズ」放送禁止用語へのこだわりと使用時の配慮 ─ 「Fワードに頼りすぎの時は話し合う」と製作者

テレビで言ってはいけない放送禁止用語は、Amazon Studiosの人気ドラマ「ザ・ボーイズ」にとって欠かせない。これが無いと、クズなスーパーヒーローの日常を描けないのだ。これまで数え切れないほどの罵り言葉が発されてきたが、製作陣は、いわゆる“Fワード”や“Cワード”のような下品な言葉を用いるにあたって、どのような配慮をしているのだろうか。
このたび、ショーランナー・製作総指揮・脚本を兼任するエリック・クリプキが、米Deadlineの取材にて、本シリーズにおける放送禁止用語との向き合い方を説明している。「脚本を書いていて、“こんな言葉を書いてしまってるなんて信じられない”と思ったことは?」という質問に対して、クリプキは「そういう風に感じたことはないですね」と断言。もっとも、劇中でヒーローたちが何の気なしに口にする下品な言葉の使い方には、確固たるこだわりがあるようだ。
「Amazonからは自由を与えられてるので、私たちの直感で会話に使われた言葉は自分たちで管理しています。脚本全体を通してみだらな言葉だらけなので、そこまで多くは確認していませんが。
ただ、CワードやFワードに頼りすぎているなんて思った時には、(監督・製作総指揮の)フィル・スグリッシアと一緒に話し合います。そうしたもの(放送禁止用語)が支えになっては困りますからね。キャラクターにとって正直なものになってほしいんです。セリフにスパイスを効かせるためだけに使いたくはありません。その瞬間に、キャラクターがその言葉を使わなければいけないから使うんです。」
これを踏まえて、クリプキは「面白そうだから書いているというより、どちらかといえば“それは使うべきなのだろうか?”というような感じで進めています」と話す。視聴者に不快感を与えかねない言葉を扱うことも相まって、下品さの無駄使いを避けるという狙いもあるのだろう。
クリプキら製作陣は、放送禁止用語の扱いについては冷静に向き合っているようだが、映像の製作時は“信じられない”と思うことの連続なのだとか。「視覚的に出来上がったものに対しては、“こんなことできるなんて信じられない”といつも感激しています」とクリプキ。「12インチのペニスだとか、クジラに正面からぶつかるとか、顔面に乗って男を死なせることとか。こうしたことは、編集室で座っていてひたすらクスクス笑ってますよ」と、テンションの違いを明かした。
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Source: Deadline