コミックから大胆脚色の「ザ・ボーイズ」、原作者が唯一お願いした条件は「ブッチャーだけは正しくやってくれ」

同名のグラフィックノベルを実写映像化した人気ドラマ「ザ・ボーイズ」は、原作を大きく脚色した独自路線の物語を描いている。これは原作者のガース・エニスも承知の上だというが、映像化にあたって唯一お願いされた条件があったという。ショーランナーのエリック・クリプキが米Varietyにその内容を明かしている。
ドラマ版では、クズなスーパーヒーローチーム“セブン”と彼らに恨みを持つ自警団“ザ・ボーイズ”の戦いを描くという基本プロットやキャラクター設定が原作から踏襲されている。一方でクリプキに言わせれば「すごく散発的な」原作のストーリーに一貫性を持たせたり、“セブン”側の深掘りを行ったりすることで、ドラマ版ならではの独自性が創り出されている。
「8時間を支えられる物語を欲していたのですが、(原作の)本にはそれがなかったんです」。こう語るクリプキは、当初から原作からの脚色を決めていたようで、原作者のエニスにあらかじめ許可を取ったのだという。「僕は彼に、“キャラクターやトーンを正しく描きたいのですが、物語がまったく同じにならなくても大丈夫ですか?”と聞きました」。
この申し出をエニスは「完全に分かってくれていました」とクリプキ。しかし、一つだけお願いもあったそうだ。それが「ブッチャーだけは正しくやってくれ」というものだった。
ブッチャーとは、ドラマ版ではカール・アーバンが演じる物語の主人公。エニスとブッチャーにはイギリス出身という共通点がある。そのこともあってか、「彼(エニス)が、個人的に強い思いを感じているキャラクターなんです」とクリプキは語っている。
「彼から頂くメモ書きは、決まっていつもブッチャーとブッチャーのセリフについてです。素敵なことですけどね。彼は北アイルランド出身で、僕よりもイーストロンドン出身の人(ブッチャー)の話し方については詳しいんです。だからこの上なくありがたいですね。」
ドラマ版はシーズン5で完結が決定している。原作ではどんでん返しの衝撃エンディングが訪れるが、ドラマ版ではこれを受け継がず、別のシナリオが用意されているとのこと。クリプキは「すでに頭には浮かんでいます」とだけ語っている。
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Source:Variety






























