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【朗報&悲報】『ドラゴン・タトゥーの女』続編、2018年公開へ!原作第四作の映画化、出演者&監督交代の不安も

あのリスベットが帰ってくる!

去る2017年3月13日、ロンドンで開催されたブックフェアで、故スティーグ・ラーソンによる大ベストセラー『ミレニアム』を原作とする、『ドラゴン・タトゥーの女』(2011)の続編が、2018年5月の劇場公開を目指して製作されることが発表されました。

ただし首を長くして続編を待っていたファンには複雑なことに、前作で主役を演じたリスベット・サランデル役のルーニー・マーラと、ミカエル・ブロムクヴィスト役のダニエル・クレイグは続投せず、監督も前作のデヴィッド・フィンチャーから、『ドント・ブリーズ』(2016年)が記憶に新しいフェデ・アルバレスへと交代することが決定しています。続編の原作に選ばれたのは、シリーズ第二作『火と戯れる女』ではなく、第四作『蜘蛛の巣を払う女』。現在、新たなリスベット役が選定されているということです。

原作小説『ミレニアム』と映画版

『ドラゴン・タトゥーの女』の原作は、世界中でベストセラーとなったスウェーデン発のミステリー小説シリーズ『ミレニアム』。しかし著者のスティーグ・ラーソンは、第一作『ドラゴン・タトゥーの女』が出版される以前に心筋梗塞で急死。彼の手による著作は第二作『火と戯れる女』と第三作『眠れる女と狂卓の騎士』のみにとどまりました。ラーソンは第四作を結末直前まで執筆済みでしたが、彼がパートナーと法的な婚姻関係を結んでいなかったことから、パートナーと遺族、出版社を巻き込んだ版権トラブルが発生し、その第四作が陽の目を見ることはないと思われていました。

ところが出版社側は、ラーソンによる書きかけの原稿をすっぱり諦める形で、ノンフィクション作家のダヴィド・ラーゲルクランツに続編の執筆を依頼。ラーゲンクランツは、世界観および登場人物、なによりも文体の踏襲に非常に苦心したそうです。やっとのことで完成した、異なる作家による第四作『ミレニアム4 蜘蛛の巣を払う女』は、大方の予想を覆して好評を博しました(まもなく第五作も発表されるそうです)。

映画版、リブートの経緯と懸念

一方の映画版は、2011年の『ドラゴン・タトゥーの女』公開当初、デヴィッド・フィンチャー監督は、同じキャストで『火と戯れる女』『眠れる女と狂卓の騎士』の計三作を製作する想定でした。ところが巨額の製作費に対して『ドラゴン・タトゥーの女』の興行収益は振るわず、計画はあえなく頓挫しています。さらにこの六年間で、前述したように原作『ミレニアム』を巡る状況が激変。原作に呼応する形で、製作会社であるソニー・ピクチャーズは新体制によるリブートを決意したようです。

筆者は原作『ミレニアム』シリーズの大ファンであり、ラーゲルクランツによる第四作も大変楽しんだので、続編の発表は基本的にはうれしいのですが、主人公のリスベットを演じたルーニー・マーラは人物にピッタリだっただけに、キャストの交代は疑問です。またリスベットの重要なエピソードが含まれる『火と戯れる女』『眠れる女と狂卓の騎士』をすっ飛ばすことで、物語としてもいろいろと説明不足に陥るのではないかと懸念してしまいます。

ただでさえリスベットは、小柄な身体にパンクファッション、バイセクシャルで超攻撃的な性格、悲惨としか言いようがない過去を持ち、人付き合いも破滅的に下手、しかし天才的ハッカーの才覚を活かして大富豪になった女性という、盛りに盛ったわかりにくいキャラクターです。もう一人の主人公である、優秀なダメ記者ミカエル(こちらはわかりやすいおじさんです)とも、一筋縄ではいかない、死地を共に潜り抜けた“盟友”といった関係性。映画の二時間強で人物像を説明して、新しい事件を解決することができるのか? 正直に言って、現時点では期待よりも心配の方がやや大きいところです。

Source: http://www.stuff.co.nz/entertainment/film/90451398/The-Girl-in-the-Spiders-Web-is-happening-without-Rooney-Mara-or-Daniel-Craig
Eyecatch Image: http://www.themovienetwork.com/article/sony-wants-combine-girl-dragon-tattoo-sequels-one-film
(C) 2011 Columbia Pictures Industries, Inc. and Metro-Goldwyn-Mayer Pictures Inc. All Rights Reserved.

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アクトンボーイ

1977年生まれ。スターウォーズと同い歳。集めまくったアメトイを死んだ時に一緒に燃やすと嫁に宣告され、1日でもいいから奴より長く生きたいと願う今日この頃。