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タランティーノ映画引退作、主人公は実在した「ポルノ雑誌の映画評論家」 ─ 主演俳優は「35歳くらい」の予定

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』ジャパンプレミア レッドカーペット
© THE RIVER

クエンティン・タランティーノの新作にして映画引退作『The Movie Critic(仮題)』の主人公が、ポルノ雑誌に寄稿していた男性映画評論家となることがわかった。タランティーノ本人が米Deadlineにて明らかにした。

本作はタイトルが示す通り、製作発表の時点から映画評論家を題材にした物語になると予想されており、1970年にロサンゼルスで活躍した実在の映画評論家ポーリン・ケイルに焦点を当てるのではないかと推測されていた。しかし、タランティーノはこの説を否定ケイル以外の特定の映画評論家に捧げる作品でもないという報道もあった。

ところが今回、タランティーノは、『The Movie Critic』が1977年のカリフォルニアを舞台とした、実在の男性をモデルとする作品であることを認めている。いわく「決して有名ではなかったが、ポルノ雑誌に映画批評をよく寄稿していた人物」雑誌名・人物名は明言していないが、タランティーノによると「他のページは読めたものじゃなかったけれど、その雑誌は映画のページが本当に面白かった」というのだ。

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「(その評論家は)メインストリームの映画についてたくさん批評を書いていた人で、二流でしたが良い評論家だったと思います。ものすごい皮肉屋で、初期のハワード・スターンとトラヴィス・ビックルを──もしも彼が映画評論家だったとしたら──掛け合わせたような感じ。[中略]本当に笑える批評だったんです。彼は無礼だし、悪態をつくし、人種差別的な表現も使っていたけれど、文章はとても面白かった。」

ハワード・スターンは米国の人気ラジオ番組「ハワード・スターン・ショー」のパーソナリティーで、その舌禍により度々炎上や物議を醸すことでも知られている。かたや、トラヴィス・ビックルはマーティン・スコセッシの名作『タクシー・ドライバー』(1976)でロバート・デ・ニーロが演じた主人公。タランティーノは「トラヴィスの日記を思い出してくださいよ」とも言っているが、今もなお語り継がれるアンチヒーローの代名詞を引用するあたり、最新作の主人公がかなりクセのある人物であることは間違いないだろう。

なお、この主人公を演じる俳優はまだ決まっていない模様。しかしタランティーノは、調査を重ねたことで30代の俳優が適任と感じているようだ。モデルの人物については「55歳くらいのような文章でしたが、(当時は)30代前半から中盤だったことが分かりました。30代後半で亡くなったんです」と語り、キャスティングは「35歳くらいの俳優になると思います。私にとっては確実に新たな主演男優となるでしょう」と述べた。

稀代のシネフィルとしても名高いタランティーノが映画評論家についての作品を撮るとなれば、映画ファンはもちろん、俳優たちからも大きな関心を寄せられることになるだろう。「この人が演じてくれたらうまくいきそう、というアイデアはある」とタランティーノは話しているが、それが無事に実現するのかどうか。続報を楽しみに待とう。

クエンティン・タランティーノ最新作『The Movie Critic(原題)』は2023年秋よりロサンゼルスで撮影予定。まもなくプリプロダクション(撮影前作業)の前段階にあたる、本人いわく「プリ・プリプロダクション」が始まるということだ。

Source: Deadline

Text: YUKA SHINGAI, 稲垣貴俊

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Yuka ShingaiYuka Shingai

携帯向け音楽配信事業にて社内SE、マーケティング業務に従事した後、妊娠・出産を機にフリーライターに転向。 映画とお酒と化粧品が好き。日課のオンライン英会話でもしょっちゅう映画の話をしています。

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