ノーラン新作『オデュッセイア』映画史上初、全編IMAXフィルムカメラ撮影

クリストファー・ノーランによる次回作『オデュッセイア(原題:The Odyssey)』は、歴史上初めて全編IMAXフィルムカメラで撮影する大作映画になるようだ。
『ダークナイト』(2008)で劇映画として初めてIMAXカメラを導入したノーランは、キャリアを通じてIMAXでの撮影・上映にこだわりつづけてきた。全編IMAXデジタルカメラで撮影される作品はこれまでもあったが、『オデュッセイア』でノーランが求めたのはIMAXフィルムカメラ。従来はフィルムの詰め替え作業や撮影中の騒音などで扱いが難しかった。
ノーランはIMAX社リチャード・ゲルフォントCEOに「あなたに挑戦を課す」と伝え、「問題解決ができるなら、『オデュッセイア』は100%をIMAXフィルムカメラで撮影する」と希望。「そして我々は、問題を解決しました。全編をIMAXフィルムカメラで撮影するのは、これが初めての映画となります」とゲルフォントはカンヌ国際映画祭で述べた。米Deadlineなどが伝えた。
ノーランのため新開発されたIMAXフィルムカメラでは30%の静音化と大幅な軽量化、処理効率の向上が実現。現在撮影中の『オデュッセイア』での使用を終えたのち、別の作品への貸出が見込まれている。
ゲルフォンドCEOは2024年11月にも、ノーランが同作でIMAX新技術を用いる予定であることを伝えていた。前回の発言によれば、ノーランとIMAX社は2023年頃からIMAXフィルムカメラの改善に取り組んでいた模様。
『オデュッセイア』は、詩人ホメロスの英雄叙事詩を映像化する神話的アクション大作。出演にはマット・デイモン、トム・ホランド、アン・ハサウェイ、ゼンデイヤ、ルピタ・ニョンゴ、シャーリーズ・セロン、ロバート・パティンソン、ジョン・バーンサル、ベニー・サフディ、エリオット・ペイジ、ヒメーシュ・パテル、ビル・アーウィン、サマンサ・モートン、ジョン・レグイザモ、コズモ・ジャーヴィスらが集結。現代映画の最高峰とも言える面々が集った。プロデューサーはエマ・トーマス、製作・配給はユニバーサル・ピクチャーズ。2026年7月17日に米国公開予定。
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