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ロキ姿トムヒの隣にロキ姿のアノ人が?『マイティ・ソー バトルロイヤル』演劇シーンの爆笑カメオ、出演の裏側

マイティ・ソー バトルロイヤル
©Walt Disney Studios Motion Pictures 写真:ゼータ イメージ

映画『マイティ・ソー バトルロイヤル』の数多ある見どころのうち、まず観客を驚かせるのは、映画の前半に登場する豪華なカメオ出演者だろう。「なぜこの俳優がこんな役柄で……」と思わされること間違いなしだが、どうやら驚いたのは作り手たちも同じだったらしい。

衝撃のカメオ出演シーンがいかに出来上がったのか、どんな経緯でキャスティングが行われたのか、その詳しい裏話をマーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長がじっくりと語っている。

注意

この記事には、映画『マイティ・ソー バトルロイヤル』のネタバレが含まれています。

マイティ・ソー バトルロイヤル
©Walt Disney Studios Motion Pictures 写真:ゼータ イメージ

マット・デイモン、クリス・ヘムズワースと仲良し

映画の冒頭でムスペルヘイムの王スルトを撃退したソーは、間一髪でアスガルドに帰還を果たし、そこでオーディンに化けたロキがアスガルドを統治するさまを目の当たりにする。舞台上で俳優たちが演じているのは、前作『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』(2014)で描かれたロキの死だ(むろん、実際には死んでいない)。

この場面でソーを演じているのは、クリス・ヘムズワースの実兄であるルーク・ヘムズワース。オーディン役には『ジュラシック・パーク』(1993)などの名優サム・ニール。そしてロキを演じているのは、なぜこんな役柄で登場することになったのかさっぱりわからないマット・デイモンだ。

Colliderがファイギ社長に取材したところによると、このシーンは脚本段階できちんと構想されており、「ロキが死んだと思われていることを伝えたい」「ほかの作品を知らない観客にもロキがオーディンに化けていることを理解してほしい」という意図で作られたものだという。ただし舞台が上演されているシーンを作るとして、いったい誰がそれぞれの役柄を演じるのか?

「ルーク・ヘムズワースにソーを演じてもらおう、というアイデアは面白かったですね。サム・ニールはタイカ(・ワイティティ監督)と『ハント・フォー・ザ・ワイルダーピープル』(2016)で仕事をしていたので、快くオーディンを演じてくれました。じゃあ、誰がロキを演じるのか? 演じられるのか? いいアイデアが出てこなかったんですよね。」

そこで登場したのが、やはり主演のクリス・ヘムズワースだった。ある時、彼はこう持ちかけたのだという。

僕の友達のマットに聞いたらどうなりますかね?って言うんですよ。マットって誰?って聞いたら、マット・デイモンだって。“オーケー、クリス。いいよ、友達のマット・デイモンに聞いてみてよ。でも彼はやってくれないと思うよ。……え、やるって?来るって?”。
次に僕が知ってるのは、マット・デイモンがロキの衣裳を着て、ロキのウィッグをかぶって現場にいるということでした。ロキの格好をしたトム・ヒドルストンの隣に、ロキの格好をしたマット・デイモンが立っている写真がありますよ。たぶん、いつか公開します。すごくシュールで最高なんですよ。[中略]素晴らしいのは、彼が友人のために来てくれたことですね。純粋にヘムズワースとの友情のために、この役をやってくれたんです。」

そういえば、ワイティティ監督いわく「アスガルド最大のスター」だというマット・デイモン扮する俳優は、あれからどうなってしまったのだろうか? 映画の結末で土地としてのアスガルドは失われ、そこに暮らしていた人々は宇宙船で地球を目指して出発したが、あそこにロキの死を演じていた俳優たちも乗り込んでいたのか。もしそうだとしたら、いつかまた彼の演技をどこかで見られる日が来るのだろうか……。

「今や、(マット・デイモンは)ユニバースのどこかをさまようアスガルドの俳優として待機しているわけですよ。[中略]将来、一生懸命に仕事をする俳優の冒険を見られるかもしれませんね。」

映画『マイティ・ソー バトルロイヤル』は2017年11月3日より全国の映画館にて公開中

Source: http://collider.com/thor-ragnarok-matt-damon-cameo-explained-kevin-feige/
©Walt Disney Studios Motion Pictures 写真:ゼータ イメージ

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。