『マイティ・ソー バトルロイヤル』ジェーンほか地球人キャラの登場は ― 脚本家の決断秘話

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この記事には、映画『マイティ・ソー バトルロイヤル』のネタバレが含まれています。

マイティ・ソー バトルロイヤル

©Walt Disney Studios Motion Pictures 写真:ゼータ イメージ

映画『マイティ・ソー』シリーズのヒロインといえば、2011年の第1作からソーの相手役を務めたジェーン・フォスター(ナタリー・ポートマン)だ。しかし残念ながら、最新作『マイティ・ソー バトルロイヤル』にジェーンの姿はない。ドクター・ストレンジこそ登場するものの、地球のシーンはごくわずか、そこに地球人であるジェーンが登場する余地はないのだ。

しかし思い返してみれば、前作『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』(2014)は、ジェーンを堂々とヒロインの座に置きながらも大スケールの物語を繰り広げた作品ではなかったか。おなじみアスガルドと惑星サカールを主な舞台に展開する今回の物語に、ジェーンが登場する余地は本当になかったのだろうか?
脚本家のエリック・ピアソン氏が、本作を執筆する過程について米メディアの取材で語っている。

ヒロイン・ジェーン、登場計画すらなかった

『マイティ・ソー バトルロイヤル』では、シリーズ過去作品のキャラクターが映画の序盤からすさまじい勢いで退場していく。ヘラの襲撃によって一瞬で殺されてしまうウォリアーズ・スリーや、行方不明の果てに文字通り消えてしまうオーディン、そして小さなセリフで“その後”が明かされるジェーンだ。

ソーとロキがニューヨークに降り立ったあと、ファンの写真撮影に応じたソーは、「ジェーンにフラれてお気の毒に」という言葉をかけられる。弟を横にしたソーは「お互いにフッたんだ」といたって冷静に応じてみせるが、なんとジェーンの扱いはこれにて終了である。ジェーンの仲間たちであるセルヴィグ博士(ステラン・スカルスガルド)、ダーシー(カット・デニングス)に至っては一切言及されることすらないのだ。

ともあれ、脚本段階でジェーンたち地球人キャラクターの登場は一度も検討されなかったのだろうか? 米CinemaBlendによる問いかけに、エリック氏は「ない、ない、一度もなかったですよ」と答えている。

「この映画は(過去作品とは)まるで違いますからね。惑星サカールとハルクを扱うのにすごく時間がかかるんです。サカールは(コミックの)そのままでも十分クレイジーですし。そこに触れるとなれば……みなさんにはきっとクレイジーすぎると思われているでしょうけど、軽く扱ったらみなさんを困らせたり、十分楽しんでもらえなかったりするだろうと思ったんです。
だから限られた数のキャラクターだけにして、それからヴァルキリーを登場させました。最高のサポート・キャラクターになったと思います。テッサ(・トンプソン)はすごく良かったですね。」

 

すなわち脚本の意図としては、惑星サカールという完全に新しい舞台を物語に組み込む上で、その場所を最大限に活かせるキャラクターだけを厳選したということだろう。「ハルクを登場させる」、また「地球外で展開する物語にする」というコンセプトをきちんと成立させるために地球人のキャラクターを登場させなかったのだ。

ちなみにエリック氏の発言で興味深いのは、『マイティ・ソー バトルロイヤル』の脚本を製作する上で、マーベル・スタジオが物語の要素を絞るよう求めていたということである。

「脚本を作る上で、厳しい締め切りがあったんですよ。(脚本に使うよう)スタジオから伝えられた要素もありました。でも彼らは、“全部やらなきゃいけないとは思わず、できるだけ良いものを、密度のあるものを作ってほしい”と言っていましたね。」

映画『マイティ・ソー バトルロイヤル』は2017年11月3日より全国の映画館にて公開中。

Source: https://www.cinemablend.com/news/1719039/were-the-thor-series-human-characters-ever-in-ragnarok-heres-what-the-writer-told-us
©Walt Disney Studios Motion Pictures 写真:ゼータ イメージ

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稲垣 貴俊(Takatoshi Inagaki)。THE RIVER編集部。わかりやすいことはそのままに、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすくしてお伝えできればと思っております。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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