中国人気SF『三体』Netflixドラマ化、「ゲーム・オブ・スローンズ」コンビが脚本・製作 ─ ライアン・ジョンソン&ブラッド・ピットも参加

中国発、世界的大ヒットSF小説『三体』(早川書房)が、「ゲーム・オブ・スローンズ」を手がけたデヴィッド・ベニオフ&D・B・ワイスらによってテレビドラマ化されることがわかった。製作・配信はNetflixが担当する。米Varietyなど複数のメディアが報じた。
『三体』は、文化大革命で父親を惨殺されたことから女性科学者の葉文潔(イエ・ウェンジエ)が、巨大パラボラアンテナを備える軍事基地に雇われ、人類の運命を握る極秘計画に接触する物語。異星人の地球侵略を手助けしようともくろむ者、むしろ異星人を迎え入れたいと考える者、さまざまな思惑が入り乱れる中、異変や怪現象が人々に迫ってきて……。
SF作家・劉慈欣(りゅう じきん)による『三体』3部作は、中国にて、2008年に第1作『三体』が刊行され、2010年までに『三体II:黒暗森林』『三体III:死神永生』の3部作となった。3部作で2,100万部以上を売り上げ、世界各国でもベストセラーとなったほか、2015年にはヒューゴー賞を受賞。日本でも2019年7月に第1作、2020年6月に第2作が早川書房より邦訳され、大ヒットとなっている。

Netflixによるドラマ版は小説の3部作すべてにまたがる内容となり、Netflixは『三体』シリーズの英語版翻案権を獲得済み。ベニオフ&ワイスは、ドラマ「ザ・テラー 不名誉」(2019)のアレクサンダー・ウーとともに脚本・製作総指揮を兼任する。そのほか、製作総指揮には『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』(2017)のライアン・ジョンソン、製作会社・プランBを率いる俳優ブラッド・ピット、『ゴーン・ガール』(2014)の女優ロザムント・パイクらが結集。プロジェクトへの注目度がうかがえるというべきだろう。
製作の発表にあたり、ベニオフ&ワイスは「劉慈欣による3部作は、これまでに読んだSFシリーズの中で最も野心的なものでした。1960年代からこの世の終わりまで、地球上での生活から宇宙の果てまで読者を連れていく作品です。この物語に世界中の観客に届けることに、今後の数年間を費やせることを楽しみにしています」とのコメントを発表した。
なおドラマ化にあたっては、原作者である劉慈欣、英訳を担当した人気SF作家のケン・リュウが監修を担当。SF小説の歴史に名を残す原作、「ゲーム・オブ・スローンズ」でストーリーテリングの圧倒的才覚を発揮したベニオフ&ワイス、ハリウッドを代表するクリエイター陣、そして原作者の強力なバックアップと、本作が並々ならぬスケールのプロジェクトになることはすでに確かだろう。キャスティングやエピソード監督などの続報も待たれる。
Sources: Variety, Deadline, 早川書房