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ティモシー・シャラメ、「問題のあるティーンエイジャー役」の原点はドラマ「HOMELAND」にあった ─ 『レディ・バード』にも影響

映画『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』ジャパンプレミア 撮影写真

ティモシー・シャラメといえば、『ビューティフル・ボーイ』(2018)の薬物中毒に悩む青年、『レディ・バード』(2017)のウソつきなプレイボーイ、『マイ・ビューティフル・デイズ』(2016)の教師に恋心を抱く行動障害の高校生など、大なり小なり問題を抱えたティーンエイジャーを演じてきた。その原点は意外にも、シャラメがブレイク前に出演したドラマ「HOMELAND」にありそうだ。

2011年~2020年に米放送された「HOMELAND」は、 CIAと国際テロ組織の戦いを描いた大ヒットサスペンス・スリラー。初期の物語は、CIAのキャリー・マティソン(クレア・デインズ)と、スパイ疑惑のある帰還兵ニコラス・“ニック”・ブロディ(ダミアン・ルイス)の熾烈な攻防を中心に展開される。

ティモシー・シャラメは、本作のシーズン2に登場。下院議員になったニックの娘・デイナと同じ学校に通う、副大統領の息子フィン・ウォルデン役を演じている。当時まだ16歳にして、アンニュイな雰囲気を醸すシャラメ。そんな彼が扮するフィンは、「この子を信じていいのか?」と感じさせる危険な魅力を放っている。作中でデイナはその魅力に負けてボーイフレンドと別れ、フィンと付き合うことになる。

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肝となるのは、第5話。フィンはデート中にひき逃げ事故を起こし、デイナにこの件を口止めする。フィンの父親が大統領選への出馬を控えているため、家族のトラブルは御法度なのだ。とはいえデイナは事故の隠ぺいに納得できず、ひとりで被害者の病院を訪問し、後日フィンに報告。このシーンでシャラメが表現する“イライラ感情”のリアルさは、さすがの一言だ。

最終的にフィンは「HOMELAND」らしい衝撃展開に巻き込まれ、出番は計8エピソードで終了。しかし意外にも記憶に残るキャラクターで、リアルタイムで「HOMELAND」を観ていたファンの多くが「あれティモシーだったのか」と思い出せるほどである。

今思えばこのフィン役は、シャラメがのちに多数演じることになる“問題のあるティーンエイジャー役”の原点といえるだろう。特に彼が『レディ・バード』で演じた、魅力的だけど憎いカイル役を彷彿とさせる。

実際にシャラメにとっても、「HOMELAND」での経験は『レディ・バード』での演技に影響を与えたようだ。2018年のインタビューでは、「HOMELAND」を見返すと「自分がキャラの中に真の人間を見出すのではなく、ただ憎まれ役を演じている瞬間がある」と述べ、『レディ・バード』では、人々や本を参考にしながらキャラクターに深みを与えたことを明かしている。「あのキャラクターを、純粋に苦しみ、リアルな感情を持ち、悲しい存在として生きている憎まれ役として見てもらえたらと思います」。

ドラマ「HOMELAND」全8シーズンは、ディズニープラスにて配信中。

Source:Observer

Writer

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KyokoKyoko Okajima

アメリカ留学、大手動画配信サービスの社員を経て、ライターに転身。海外ドラマが大好きで、永遠のNo.1は『ブレイキング・バッド』と『ベター・コール・ソウル』。

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