Menu
(0)

Search

『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』米映画館で演出を事前告知される事案が発生 ― やりすぎ?妥当?

映画『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』が公開されている米国の映画館にて、本編の内容に関する注意文が掲示される事案が発生している。事前に観客への周知が行われたのは、映画終盤の“とある演出”だった。

注意

この記事には、映画『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』のネタバレが含まれています。

©Walt Disney Studios Motion Pictures ©2017 & TM Lucasfilm Ltd. 写真:ゼータ イメージ

「10秒間の無音」は映写トラブルではありません

米国の映画館チェーン、AMCシアターズは『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』の演出について一枚の注意文を掲出。ある俳優がその写真をFacebookに投稿したことをきっかけに、現在はEntertainment Weekly誌やVariety誌でも取り上げられるほどの話題となっている。

ご了承ください:『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』には、本編のおよそ1時間52分ごろに、約10秒間すべての音が消えるシークエンスがございます。映像はスクリーンで展開しますが、何も聞こえなくなります。これは監督による意図的な演出です。

ここで言及されているのは、本編の終盤、ホルド提督(ローラ・ダーン)がレジスタンスを逃がすため、戦艦を光速でファースト・オーダー軍に激突させるシーンだ。あまたの音楽や効果音が重ねられ、場面が大きなクライマックスを迎えた直後、戦艦が激突した瞬間にすべての音が消えてしまう。VFXスタッフが「スター・ウォーズ史上初めて」だと認めているこの演出は、「すべてライアン・ジョンソン監督が考えていたこと」だったそうだ

ただしVariety誌によれば、この演出は一部の観客の間で混乱を招いており、そうした観客の多くが「演出ではなく映写トラブル」だという誤解を抱いていたという。そこでAMCシアターズは不用なトラブルを避けるべく、注意文を掲示して演出を事前に周知する手段を取ったというわけだ。
ちなみにAMCシアターズでは、以前『最後のジェダイ』の冒頭10分間を無音で上映してしまい、その後も上映をやり直さなかったために観客が激怒、警察が出動するという事態が発生していた。今回の対応はやや過敏にも思われるが、こうした背景を踏まえたものとも考えられる。演出であることは観ていればわかるのでは……という気もするが、こうした事態が発生するのも『スター・ウォーズ』ならではだろう。

映画『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』は2017年12月15日より全国の映画館にて公開中。

Sources: http://ew.com/movies/2017/12/26/star-wars-the-last-jedi-movie-theaters-warning/
http://variety.com/2017/film/news/star-wars-the-last-jedi-amc-warning-silent-scene-1202648766/
http://collider.com/the-last-jedi-interview-ben-morris-visual-effects/
©THE RIVER

Writer

アバター画像
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

Ranking

Daily

Weekly

Monthly