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【徹底解説】『スター・ウォーズ / 最後のジェダイ』特別映像公開!明かされた事実の数々をチェック

スター・ウォーズ 最後のジェダイ

2017年7月14〜16日(現地時間)に開催されたディズニー最大規模のイベント「D23 Expo 2017」では、ディズニー作品の様々な新情報が次々と解禁された。

映画『スター・ウォーズ / 最後のジェダイ』からは、最新映像を多数含んだメイキング映像が公開。メイキング映像…とはいえ、全く新しいクリーチャーの姿や数々の証言が収められた必見の内容だ。この記事では、新映像より明らかになった事実の数々をご紹介したい。

https://youtu.be/RcaZJ591y90

真逆の方向へ ─『最後のジェダイ』がもたらす衝撃

「エピソード8…おやおや。」

『スター・ウォーズ』が積み重ねてきた歴史の厚みと重みをしみじみと振り返るのは、第一作『新たなる希望』(1977)以来、すべての実写作品に参加してきたC-3PO役アンソニー・ダニエルズだ。「最初は番号なんて無かったのに。」

本映像で繰り返し強調されているのは、『スター・ウォーズ / 最後のジェダイ』がサーガにいかに衝撃をもたらす重要作であるかということ。「監督が目指したのは予想もつかない物語。話の展開に多くの人が驚くはず」とはレイ役デイジー・リドリー。「三部作の二作目ではあるけれど、全く自立しているとも言える。」

本作は日本版チラシに「シリーズ史上最も衝撃的な真実が明かされる」と記されたことが海外のファンの間でも話題となっていた。「衝撃に備えよ」──その言葉により具体性を帯びさせるように、ルーク・スカイウォーカー役のマーク・ハミルさえもが驚きの印象を口にする。「全てを知っていると思っていたが…、予想もできないことを僕に投げかけててきた。」

「物語の軸は確立してきた。新しいキャラクターのことも分かってくる」と語るのは、物語への復帰が期待されるキャプテン・ファズマ役グウェンドリン・クリスティーだ。「それに以前から知っているキャラクターたちの行く末にも大きな変化が現れる」と、今作に潜む衝撃の大きさを仄めかす。

『最後のジェダイ』のもたらす衝撃に、僕たちはどのように備えておくべきか。フィン役ジョン・ボイエガの証言は、その覚悟を改めさせる。「すべて逆の方向に動き始める。前作でみんなが思ったことの逆へ。」

「衝撃作にしたい。でも、リアルで誠実なものだ」と語るライアン・ジョンソン監督の決意と共に映し出されるのは、遠い昔、遥か彼方の銀河系のマナーを踏襲しながらも新たに創作された、まだ誰も観たことのないスター・ウォーズ。まだ、観たことがない…、はずなのに、僕たちはこの物語をずっと知っている。ずっと小さいころから…。

「家族についての物語。だからこそ、この物語は力強い。」

レイア・オーガナ役キャリー・フィッシャーのメッセージは伝説となり、真紅に染まったスター・ウォーズのロゴマークが銀河に投影され、映像は終わる。

ローズと挑む、おなじみの潜入ミッション

潜入…。スター・ウォーズには欠かせない展開だ。シリーズ第一作『新たなる希望』でも、『ローグ・ワン / スター・ウォーズ・ストーリー』(2016)でも、英雄たちは図らずも敵軍の衣装に身を包み、帝国軍の巨大な基地内に潜り込んだ。

スター・ウォーズ・サーガに迎え入れられた新たな英雄は、”ごく普通の、”といった印象で語られるであろうローズ(マリー・トラン)。『最後のジェダイ』物語ではしっかりとした役割を与えられるとされ、フィンとペアを組んで潜入ミッションに挑むという噂はかねてから囁かれていた。映像では、フィンと共にファーストオーダーの軍服を着用し、強張った表情で極秘潜入を行う様子が確認できる。考えてみれば、フィンの方がまだまだ未熟な若者だ。『フォースの覚醒』(2015)冒頭のファーストオーダー脱出時にもずいぶん落ち着きのない様子だったが、果たしてローズはそんなフィンをリードする、力強い女性キャラクターとして描かれるのだろうか。

アミリン・ホルド、レイアと接触

『最後のジェダイ』で気になるのは、「以前から知っているキャラクターたちの行く末」だけではない。著名な役者によって描かれる新キャラクターの存在にも注目しておきたい。

『ジュラシック・パーク』(1993)や、デヴィッド・リンチ作品の常連として有名な女優ローラ・ダーンが新たに演じるのは、アミリン・ホルドVice Admiral Amilyn Holdo)。高い文化教養を持つ彼女はレジスタンスの中でも上層部にあたる人物で、レイアと固く握手を結ぶ映像が確認できる。その表情は、古くからの友との再会を懐かしむようにも、レイアに敬意を表するようにも見える。ウェーブがかった紫の髪からは不思議と気品が漂い、パドメやレイア、モン・モスマに続くサーガの母性的キャラクターとして、安らぎと慈悲をもたらす人物になるかもしれない。最も、アミリン・ホルド登場の場面でローズ役ケリー・トランの「人物設定は複雑」とのナレーションが重ねられている点は少々深読みができそうだが…。

『DJ』ベニチオ・デル・トロ、BB-8と共演

様々な作品で幅広く活躍する、深み溢れる名優ベニチオ・デル・トロが演じるキャラクターについては、今回もその正体の詳細を明かさなかった。役名さえも不明だが、制作関係者の間では“DJ”のコードネームで通っているそうだ。その理由を、ライアン監督は「いずれわかるよ」と語っている。

“DJ”について、この特別映像が明かした事実はあまりにも少ない。ほんのコンマ数秒、デル・トロが険しい表情で振り返る場面が撮影されているが、その衣装は手前のカメラ・クルーと重なってうまく確認ができない。頭には浅いハットのようなものを被っているようにも見える。彼が立っている場所もどこなのかわからないが、よく見ると画面下部にBB-8の姿が…。

チューバッカの声に調整

「監督がチューイの声を調整している。新監督だから、何でも自分でやるらしい。」

ダース・ベイダーの呼吸音、タイ・ファイターの飛行音、ブラスターの発射音にライトセーバーの光刃が唸る音…。スター・ウォーズにはアイコニックな効果音が多数あるが、ウーキー族の声もまた僕たちの耳に馴染んでいる。時に野蛮だがいつだって思慮深いチューバッカの声からは、言語的特徴を掴むことはできないものの、歩く絨毯の喜怒哀楽を理解するには充分だった。

「ウワウ」──ライアン・ジョンソン監督によるチューバッカ・ボイスの再現は、なかなか悪くない。その後に続いて鳴り響くのは、なんだか迫力を増したように感じられるチューイの唸り声。もともと、熊、アザラシ、オットセイ、アナグマの声を混ぜ合わせて創り上げられた声で鳴くウーキー族は、相棒ハン・ソロを失った『最後のジェダイ』でどんな表情を見せてくれるのだろう。

ジェダイローブのレイ

レイは『フォースの覚醒』以降の新たなサーガの中心人物であり、新三部作は彼女の謎と共に存在すると行っても過言ではない。僕たちはこれから、多くの謎に包まれたジャクーの孤児少女が徐々にジェダイとして成長する姿を目撃していく。その感覚は、遠い世界の英雄を眺めるようであり、友人が手の届かない場所に行ってしまうのを見届けるようであり、親として子の成長を見守るようでもある。レイは、─『フォースの覚醒』で初めて登場した瞬間から、たとえ時間をかけてでも彼女の全てを知りたいと思わせたあどけない少女は─ 今、ジェダイのローブを身にまとって、凛々しい表情でライトセーバーを構えている。クワイ=ガン・ジン、オビ=ワン・ケノービ、ルーク・スカイウォーカー…いにしえより続くフォースの伝説に、僕たち共通の新たな友人が参加しようとしている。

新たな種族、新たな人気者

『スター・ウォーズ』が凄かったのは、フィクションのエイリアン種族のひとつひとつに、その生態型がつぶさに想像できたことだ。『スター・ウォーズ』に登場するエイリアンたちは、特定の種族…たとえば人間族にとって、敵となったりするわけではない。あくまでもひとつの種族として、ひとつの生態型として、それぞれの生存本能に従ってライフ・サイクルを保っているのだ。

ジャワ族、イウォーク族など、愛くるしい外見で人気の種族も数多く存在するが、『フォースの覚醒』に登場した新種族は、アンカー・プラットやマズ・カナタなど、マスコット的要素を持たない外見がすべてだった。

『最後のジェダイ』特別映像に登場した新種族は、愚直に「かわいい」路線の上にあるものが多い。クリクリの大きな目と半開きの口がなんともキュートなペンギンのような種族は、すぐに人気が出るだろう。また、叩かれたテーブルのような台の上で跳ねる、魚のような頭部を持つ木の弱そうな小さな種族にも注目しておきたい。緑のベストを着用しているが、これは映像の1分44秒あたりで真っ逆さまに吹き飛ばされている人間種族と同じものだ。『最後のジェダイ』では「金持ちのクソ野郎」が夜な夜な集まるカジノの街、”Canto Bight”の新登場が明かされている。小さな魚のような種族はこのカジノの従業員であり、ギャンブルに負けた客が叩いたゲーム台の振動に跳ねていたのだろう。

そのほか、クリスタルのような白い毛並みが美しい、狐か狼のような種族や、寂しさと慈愛に満ちた表情を見せる、耳の長く巨大なラマのような種族に、なんだかいつも笑顔そうな貴族階級の種族の姿も。彼らはすべてCGに頼らず、アニマトロニクスや特撮を中心として実現するようだ。

キャリー・フィッシャーを継ぐ者

映像の2分26秒あたりで横顔を見せている女性は、亡くなったキャリー・フィッシャーの娘、ビリー・ロード(またはラード)。彼女は『フォースの覚醒』にもカメオ出演を果たしており、『新たなる希望』レイアと同じヘアスタイルでコニックス中尉役として登場していた。ビリーは、伝説となったキャリー・フィッシャーから何を受け継いだのだろう。

レイ対3人、カイロ・レン対2人

今回の特別映像には、撮影風景のみならず、キャストらが訓練に挑む様子も収められている。

鍛え上げられた二本の腕で十字型ライトセーバーを操るカイロ・レン(アダム・ドライバー)は、2人の相手と戦っている。もしや、レイとルーク・スカイウォーカーと同時に相まみえるのか…と考えられたが、奥の相手役男性が、明らかにライトセーバーのそれとは異なる持ち方でスティックを握っていることから、対峙している2人はジェダイではなさそう。

そしてレイは、同時に3人の攻撃をライトセーバー一本で受け止めている。もちろん誰と戦っているのかは謎だが、レン騎士団の可能性も否定できないだろう。また、ルーク・スカイウォーカーによる訓練の一環とも考えられる。

おかえり、ファズマ ─ ファーストオーダーの襲来

ティーザービジュアル登場時には「こいつ、只者じゃない…」感をクローム・メッキに輝かせながらも、本編では大きな見せ場なく、むしろ少し情けないくらいの後味で前作『フォースの覚醒』から退場したキャプテン・ファズマ(グウェンドリン・クリスティー)。ファンの間では「ファズマ問題」として”しこり”を残したファズマ姐さんは、『最後のジェダイ』で再びうるさい足音を響かせる。

ファースト・オーダーのストーム・トルーパーらの前に立ち、自らブラスターで攻撃を仕掛けるファズマ。ポー・ダメロンのX-ウイングやA-ウイングが見られるレジスタンスの格納庫が爆撃を受けるシーンも見られるが、ファズマによるものなのだろうか。『フォースの覚醒』以来の名誉挽回に期待がかかる。

ストーム・トルーパーの新たな武器

『フォースの覚醒』以降、ストーム・トルーパーはデザインと武器が大幅にアップデートされた。白い歩兵たちが『フォースの覚醒』でもたらした最もエキサイティングな場面といえば、惑星タコダナにおけるマズ・カナタの城襲撃シーンで見せた、”TR-8R”による”Z6バトン”さばきだろう。

『最後のジェダイ』は、”Z6バトン”に続くクールな武器をトルーパーたちに与えている。前後に伸びた4本の黒いツメが、ドラゴンの顎のように上下に開閉する。一体どうやって使うのかはわからないが、ひとつだけ確信できることがある。多くの男子が「カッコいい、欲しい」と涎を垂らすだろうということだ。

ディア・ベイダー… ─ カイロ・レンのローブとマスク

『最後のジェダイ』では、カイロ・レンがダース・ベイダーのような黒いローブをまとう…。かねてより囁かれていた噂は、ゲーム『Star Wars バトルフロント II』のビジュアル解禁時に明らかになっていた。その劇中姿が、本映像で初めて公開されることになった。

ベイダーのように甲冑を着ないカイロ・レンにとって、硬い肩幅を伴わない立ち姿はローブをまとっても尚、どこか不安定なようにも感じられる。しかし、僕たちは彼を見て「ベイダーには敵わない」などとは思わない。カイロ・レンは、全く新しい「不安定なヴィラン」として、『フォースの覚醒』でしっかりと役を確立させた。彼の生い立ちはまだ多くが語られていないものの、既に明かされている設定ハン・ソロとレイアの息子であり、ルークに預けられ、スノークによって暗黒面に見出された── だけでも、彼をめぐる深い同情を抱くことは容易だ。

映像の別場面では、カイロ・レンのマスクが3つ並べられている。そのうち一番手前のマスクは、捻り潰されたかのように破壊されている。『最後のジェダイ』では、彼の身に何が起こるのか…。カイロ・レンとは、『スター・ウォーズ』が新たに打ち立てた、「心配すべきヴィラン」という発明品なのである ─恐れるわけでも、憎むわけでもなく。

『スター・ウォーズ / フォースの覚醒』のその後を描く、シリーズ最新作『スター・ウォーズ / 最後のジェダイ』は、2017年12月15日(金)公開。フォースと共に、その日を待て。

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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